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とやま・ノーベル賞受賞者コーナーに新展示を追加しました(更新)

梶田さん新展示の様子
梶田隆章さんの研究紹介展示が新設された、とやま・ノーベル賞受賞者コーナーの様子
梶田さん新展示の表側 梶田さん新展示の裏側
梶田隆章さんの研究紹介展示の様子

展示の公開に合わせて、オープニングイベント「梶田先生、質問があります!」を開催し、皆さんから投稿いただいた質問に梶田先生から事前に回答をいただき、当日は東京大学宇宙線研究所の岸本康宏先生に解説していただきました。ここでは事前に皆さんからいただいた質問と梶田先生にご回答いただいた内容を公開します。

ニュートリノについて の質問

ニュートリノは素粒子の中で、一番軽いんですか?

物質の仲間の素粒子のなかではニュートリノが一番軽いです。

ニュートリノの重さは、一つ一つ重さが違いますか。

ニュートリノには3種類あります。そのため重さも3つあります。

変身することは、質量もかわるんですか。

ニュートリノ振動では本当は質量の差がわかるのですが、いろいろな研究が進み、質量もだいたいわかってきました。

(岸本先生からのコメント)梶田先生は「かわる」と「わかる」を取り違えて答えられたようですね。
「わかる?」に対する答えは梶田先生の通りです。
「かわる?」に対して私から答えると「変わらない」になると思います。 ニュートリノは2つの質量が混じり合った形で生まれ、宇宙空間で振動し続けます。

ニュートリノの重さが分かると、どのようなことが分かりますか?

どんな新しい発見があるかはわかりません。皆さんが将来ニュートリノの研究をして新しい発見をしてください。

重さは、ニュートリノ振動のしやすさに関わりがあるのでしょうか。

ニュートリノの重さが重いほどニュートリノ振動する長さが短くなります。そのため、ニュートリノの重さが重いほど振動しやすくなると言ってもよいのかもしれません。

スーパーカミオカンデでは水分子にニュートリノが衝突した光で観測しますが、水以外にニュートリノが衝突する分子がありますか。

ニュートリノはどんな分子とも衝突します。

ニュートリノで作れる物質はありますか?

ニュートリノは電気を持っていないので、すぐにどこかに飛んで行ってしまい、普通の物質は作れないです。

ニュートリノはどこまで飛んでいくの?

宇宙空間をどこまでもとんでいきます。

素粒子について の質問

質量を持っている素粒子と持っていない素粒子の違いは何ですか。

ものすごく大切な質問です。でも私には、その答えがわかりません。皆さんが将来研究者になって考えてください。

グルーオンやWボゾンZボゾンに質量は有りますか。

グルーオンには質量はないと考えられています。一方、WボゾンやZボゾンには大きな質量があります。

ダークマターやダークエネルギーに質量がある可能性はありますか。

ダークマターには質量があるはずです。ダークエネルギーは、空間の持つエネルギーなので、質量はないと思います。

素粒子関連で出てくる、ニュートリノ、反物質、ダークマターなどお互いに関連しあっているようですけど、どう関連するのでしょうか。

ダークマターはニュートリノとは別な素粒子だと考えられていますので、お互いに関連してはいないと思います。反物質は普通の物質の反対の電荷を持っている素粒子や、それらが集まってできる物質です。ニュートリノにも反ニュートリノという反粒子があります。ダークマターと反物質の関連はないように思います。

ダークマターは素粒子で構成されていないのに、素粒子で構成されている元素にぶつかることはあるのですか。

ダークマターは現在知られている素粒子ではないのですが、きっとまだ見つかっていない素粒子だと思われています。ダークマターは元素にぶつかれると考えられています。

素粒子はなぜ球形なのですか。

素粒子は球ではないです。図で示すときは球で示しているだけです。あえて言えば、素粒子は大きさのない点です。

超対称性粒子と反粒子は同じですか。

超対称性粒子は、いまだ見つかっていない素粒子で、理論的にあってもおかしくないと考えられているものです。一方反粒子は、全ての素粒子に反粒子があり、見つかっています。質問の対するこたえは「同じではありません」となります。

ニュートリノに質量があると分かってから、標準理論では足りないとわかり、生まれた理論はどんなものがありますか。

いろいろありますが、大統一理論など、標準理論よりもっと多くのことを説明できる理論が提案されています。

将来、現在の素粒子がもっと細かく分けられることがあると思いますか?

やってみないとわからないと思います。素粒子の実験の研究者になって調べましょう。

重力波について の質問

原始ブラックホールの論文では、重力波は減衰しないとのことですが、その原始ブラックホールはもう存在しなくて、重力波がそのなごりを拾ってくれているのでしょうか。

この論文のことを知らないので、正しい答えを言えるかわかりませんが、原始ブラックホールは現在も存在していてもよいのではないでしょうか。

(岸本先生からのコメント)原始ブラックホールとは、宇宙の初期に出来たと考えられているブラックホールです。このブラックホールは、通常知られている大きな星が最後につぶれて出来るブラックホールと比べて、ずっと小さく、また数も多かったという説があります。質問では、この原始ブラックホールと重力波の関連について尋ねているのだと思います。

LIGOがもう二度目の観測に成功したのですが、だいたい一年に何回くらい重力波がおきますか。

LIGOやかぐらが設計感度まで感度が高くなると1年間に100回くらい重力波が観測できるようになるかもしれません。

かぐらは最低どれくらいの大きさのブラックホールがぶつかった重力波まで観測できますか。KAGRAの性能や特徴を教えてください。

軽いブラックホールとしては太陽の重さの2倍くらいの重さのものはあると思われています。これらのブラックホールが合体した信号は観測可能です。

梶田先生について の質問

どうしたら理科が好きになりますか?

自分の身のまわりの自然を好きになって、なぜだろうと不思議に思うことが大切ではないでしょうか?

子どもの頃に好きだったことは何ですか?何でも子どもの頃から根気よくできましたか?

遊ぶことが好きでした。根気強くはありませんでした。

梶田家先生はご両親からどのように育てられましたか。家訓や教育方針などありましたらぜひ教えて頂きたいです。

家訓はないと思います。教育方針も特に覚えていないですが、言葉使いはきちんとさせられたようです。

これまでのお知らせ(平成28年度分)

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