月食

月食ってなに?

月食は太陽でできる地球の影に月が入り、月が暗くなる現象です。月の全体が暗くなるものを「皆既月食」、月の一部分だけが暗くなるものを「部分月食」といいます。月が暗くなるのは、太陽全体が地球に隠されてみえる場所(本影)で起こります。また、本影の周りには、太陽の一部分だけが地球に隠される場所(半影)があり、ここに月が入ったときを「半影月食」といいますが、肉眼ではほとんど分からず、カメラなどで撮影してやっとわかる程度のものです。これら月食は満月の時に起こります。

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どうやって観察すればいいの?

月食は肉眼で観察できる天文現象です。双眼鏡や望遠鏡を使うとより変化を楽しむことができます。
また、皆既月食では月が皆既中に赤黒い色に見えるのですが、この色合いは毎回違います。月の色合いは“ダンジョンの尺度”といって5段階に分けられます。そのため、スケッチや写真などで記録に残してみましょう。スケッチは皆既中の月の色を表すため、色鉛筆などを使うと良いです。また、写真はスマホでも簡単に撮影できます。ぜひチャレンジしてみてください。
「月食観察シート」(pdfファイル約511kB)

ダンジョンの尺度

尺度 月面の様子 色見本(イメージ)
 0  非常に暗い食。
月のとりわけ中心部は、ほぼ見えない。
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 1  灰色か褐色がかった暗い食。
月の細部を判別するのは難しい。
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 2  赤もしくは赤茶けた暗い食。
たいていの場合、影の中心に一つの非常に暗い斑点を伴う。外縁部は非常に明るい。
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 3  赤いレンガ色の食。
影は、多くの場合、非常に明るいグレーもしくは黄色の部位によって縁取りされている。
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 4  赤銅色かオレンジ色の非常に明るい食。
外縁部は青みがかって大変明るい。
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皆既中の月は何色?

部分月食では月は徐々に欠けていきますが、皆既状態になると、月が見えなくなると思いきや、赤黒い色(赤銅色)になって見えます。これは、地球の大気が関係しています。太陽の光は、地球の大気を通ると屈折し、地球の影の内側に入り込みます。しかも、空気中の分子によって太陽の光のうち、青っぽい光は散乱し、赤っぽい光だけが大気を通り抜けて月に届きます。これによって赤黒い月が見えるのです。ちなみに、“赤さ具合”は、皆既月食のたびに異なります。地球の大気中にあるちりの量で、大気を通り抜けられる光の量が変わるからです。皆既月食を見る時は、刻一刻と変化する色にも注目してみましょう。

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どうして満月の時にいつも月食が起こるとはかぎらないの?

地球の影は太陽と正反対の方向にあります。しかし、地球の公転面と月の公転面は一致しておらず、お互いに5度余り傾いています。なので、たいていの場合は月は地球の影の上を通り過ぎたり、下を通り過ぎたりしています。地球の影を通り過ぎるのは1年に2回ほどしかありません。その時が夜であれば、月食を見ることができます。
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通常時の満月 月食時の満月

月の模様

満月の模様は以下の通りです。月食の時にどのように影が移動していくかを、 この図を参考にみていただければ幸いです。

コロンブスと月食

コロンブスは1492年にアメリカ大陸へ到達したことで有名です。1504年には4度目の航海でアメリカに渡っています。この時は、西インド諸島のジャマイカ北岸で一時孤立し、食料が手に入らなくなりました。これはコロンブスの行いによるもので、現地の人々と折り合いが悪くなったからです。コロンブスは小さなブリキの笛やベルと食料を交換していたからです。ここで、コロンブスは一計を案じ、月食が予報されている3日前に「協力しないなら、月を隠してしまう」と 脅かしたのでした。3日後、予報通りに月食が始まり、驚いた現地の人はコロンブスの前にひざまづき、月をふたたび光らせるようにお願いしたということです。

これまでの富山での月食時の天候

日時 種類 天候
1990年2月10日未明 皆既月食
1990年8月6日夜遅く 部分月食  
1991年12月21日宵のうち 部分月食
1993年6月4日夜遅く 皆既月食
1993年11月29日夕方 部分月食
(月出帯食)
 
1995年4月15日宵のうち 部分月食
1997年9月17日明け方 皆既月食
1999年7月28日宵のうち 部分月食
2000年7月16日夜遅く 皆既月食
2001年1月10日明け方 皆既月食
2001年7月5日夜遅く 部分月食
2004年5月5日明け方 皆既月食
(月没帯食)
2005年10月17日宵のうち 部分月食
2006年9月8日明け方 部分月食
2007年8月28日宵のうち 皆既月食
(月出帯食)
曇:雲間に見える
2008年8月17日明け方 部分月食
(月没帯食)
2010年1月1日明け方 部分月食
2010年6月26日宵のうち 部分月食
2010年12月21日夕方 皆既月食
(月出帯食)
曇後雨
2011年6月16日明け方 皆既月食
(月没帯食)
2011年12月10日夜遅く 皆既月食
2012年6月4日宵のうち 部分月食
2014年10月8日宵のうち 皆既月食 曇後晴
2015年4月4日 皆既月食 晴れたり曇ったり
2017年8月8日夜遅く 部分月食
2018年1月31日 皆既月食
2018年7月28日明け方 皆既月食
(月没帯食)
2021年5月26日宵のうち 皆既月食
(月出帯食)
曇(月の出時に少し見えた)
2021年11月19日夕方から宵のうち 部分月食
(月出帯食)
食分:0.98 月の出は見えなかたっが、その後晴れた
2022年11月8日 宵のうち 皆既月食 晴れたり曇ったり。*皆既月食中に起きた天王星食は観測できた。
2007年8月28日に富山市天文台で開催した月食観測会の様子

今後富山で見られる月食(2030年まで)

日時 月食の種類
2023年10月29日 明け方前 部分月食
2025年  9月  8日 真夜中~明け方前 皆既月食
2026年  3月  3日 宵のうち 皆既月食
2028年  7月  7日 明け方前 部分月食
2029年  1月  1日 真夜中 皆既月食
2030年  6月16日 明け方前 部分月食
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