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「ひみつのメガネ」の使い方

1階展示室の「大地をさぐる」コーナーに、常願寺川の7つの石と一緒に、「ひみつのメガネ」と名付けられた虫メガネのようなものが、丸テーブルの上に2つ並んでいます。
虫メガネかと思って石をのぞいても、大きく見えるわけではありませんし、少し暗くなった程度で何も変わったようには見えません。もしや、何か壊れているのでしょうか?
展示の説明には「テーブルの上をのぞいてみよう」と書いてあるので、試しにひみつのメガネをテーブルの明るい部分にかざしてみると…
見えました!さっきまで見えなかった石の名前が見えました!
ひみつのメガネの正体は偏光(へんこう)という特殊な光を通す「偏光板(へんこうばん)」という板です。2つあるので、試しにひみつのメガネを2つ重ねてみましょう。
え?何も起きないよ?という場合は、ひとつをぐるっと傾けてみると、
真っ暗になりました。
偏光板は2枚重ねて角度を変えると、光を通したり止めたりすることができます。テーブルの明るい場所には字の形に合わせて偏光板が貼ってあり、上からもう1枚の偏光板(ひみつのメガネ)でのぞくと文字(石の名前)が見えるようになっていたのです。
へんてこなメガネがないと石の名前が分からないとはなんて面倒な!って思いましたか?偏光板で石の名前を調べる理由は隣にあるもうひとつの展示を見るとわかります。
「ひみつのメガネ」の使い方の説明はここでおしまい。もっと知りたい方は科学博物館の展示や別の記事を参考にしてみてください。科学博物館では偏光をテーマにしたイベントを開催することもあるので、機会があればぜひ参加してみてください。
この記事を書いたひと
吉岡 翼
担当:地史・古生物
地球上にいた様々な時代の生き物や、その生き物が地層中に記録される過程に関心があります。LINK: 学芸員の部屋
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