富山市科学博物館 > ジュニア科学賞・とやま> 第8回[平成22年度]
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幼い頃から自然に親しみ、自然を多角的に見る目と素直に疑問を発する姿勢が養われている。酷暑の中、朝から晩まで毎日庭に立って花の観察を続け、時には夜遅くまで顕微鏡をのぞき続けるなど、多くの時間と労力をかけ、研究一色の夏休みを過ごした。鋭い観察眼と聡明な思考をもった中学生。
花弁が開閉運動するしくみとその目的を解明するため、様々な実験観察を粘り強く行っている。客観的にデータを得ることができるよう綿密に計画された実験・観察方法からは研究能力の高さが伝わってくる。特に花の構造から花弁の開閉のしくみを論理的に明らかにした上で生態学的な考察に入っていく過程は中学1年生とは思えないほど優れている。標本整理の仕方、研究対象への探求心と観察力、問題解決に至る論理的思考は、もはや一人前の研究者の域に達している。
過冷却水が凍っていく一瞬の変化を詳しくとらえる「観察眼」の持ち主。困難な課題も工夫と努力で乗り越えてきた。暑い夏に氷点下の状態を維持しなければならない実験を、いくつも成功させまとめ上げてきた過程には、まさに汗の結晶が光っている。
液体の過冷却現象に興味をもち、氷と塩の配合や実験に使用する容器の違いなどに着目して多くの実験を繰り返し、確かなデータを基に論理的に粘り強く追究している。実験する中で得た知識を次の実験に即座に適応させる応用力に秀でており、「過冷却の温度が低いほどできる氷の量が多くなる」という凝固熱の発見につながる考え方を導き出している点などは、大変すばらしい。
「火事だ!大福帳を井戸に投げ込め」という言葉を聞いて以来、3年生の時から身近にある「紙」に関係する研究を行っている。夏休みに行った毎日の実験で、十数キロのおもりの上げ下げで筋肉痛になってもがんばり通した努力家である。
4年間一貫して「紙の強さ」に関係した研究を行い、日常生活や研究過程で出会った発見や疑問を見逃さず、毎年テーマと内容を深めてきた。研究の中から次々に生まれてくる疑問を解明するために、新たな実験にチャレンジしつづける姿勢は大変すばらしく、身近な材料で有効な実験道具を自作して時間と手間をかけ、データを粘り強く丁寧に集めている点は高く評価できる。