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第11回[平成25年度]

  募集要項 受賞者紹介 賞の趣旨 受賞者の選考について  

 2014年2月12日、富山市科学博物館で第11回「ジュニア科学賞・とやま」の表彰式がありました。

会場の様子

米井 智紀

よねい とものり
上市町立上市中央小学校 5年

研究の内容

上市町周辺のサギの生態と人との関係

プロフィール

 巣から落ちたアオサギの雛を小学1年の時に育てたことで、近所で繁殖しているサギと仲良くなり、愛着をもってサギ一筋に研究を続けてきた。サギの毎日の行動を追跡し、その行動範囲や食物、巣づくりと森との関係、さらには人との関係など、生態学者顔負けの研究を繰り広げている。サギと人とが共存できる社会づくりを目指して、今日も望遠鏡をかついで野山を歩き回っている。

受賞理由

 同じ生態系に暮らす生きもの同士であるとの視点で、サギの行動・生態を5年間粘り強く観察し、理解したことを細かく記録している。サギの生死や食物の連鎖、他の生物とのせめぎ合いなど、生き物の命のつながりを理解できる感性にはすばらしいものがある。今後、研究にさらに磨きをかけ、より大きな生態系との関わりについても理解できるようになっていくことが期待できる。

中田 彩

なかだ あや
富山市立城山中学校 2年

研究の内容

婦中町の局所気象の研究

プロフィール

 小学2年生の時に規則的に動く太陽の観測をはじめ、小学4年生から5年間は自宅周辺の気温、降水量、地温などの基本データを毎日欠かさず記録してきた。自分のデータと新聞に掲載されている気圧配置図やアメダスデータなどとの比較から、住んでいる地区の気象の特色を見いだし、人に分かりやすく表現することを考えてきた。「継続は力なり」を地でいく中学生。いつも空が気になってしかたがない。

受賞理由

 6年間、一貫して気象に関する研究を行った。様々なデータを自分で取り、気象台のデータと比較することで、地区の微気候の特徴について考察し、ムダのない構成でわかりやすくまとめている。その際に、いくつもの新しい見方に気づき考え方を深めている点が評価できる。幅広く観察することをいとわず、多様な情報を整理して分析する力はすばらしい。また、季節風やフェーンと地形との関係を分析して立体模型に表現した点も評価できる。

金子 奈慈

かねこ なちか
南砺市立井波中学校 3年

研究内容

ショウジョウバカマの繁殖方法

プロフィール

 自宅と学校周辺の植物を小学1年生の頃に調べたことをきっかけに植物に興味をもち、日本各地での採集と観察を積み重ねてきた。小学4年からはユリ科の植物の多様性に惹かれ、中学生時代にショウジョウバカマの生育条件や栄養繁殖に関する研究に没頭する。260点の植物標本は9年間の足跡を物語る。観察したことを素直に表現できる澄んだ心のもち主。

受賞理由

 9年間、植物について追究している。特にユリ科のショウジョウバカマの栄養繁殖の観察では、自生地の環境条件を栽培条件下で再現すべく様々な工夫を凝らしている。植物のゆっくりとした変化にあわせるかのように、何年間も粘り強く観察を続けて違いを見いだす姿勢が評価できる。また、専門の先生に指導を受ける姿勢も前向きでいい。虚飾することのない正確なスケッチを効果的に組み込むなど、理解したことを人に正しく伝える才能も育っている。


富山市科学博物館
作成  2014-02-12
最終更新  2014-02-12
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