富山市科学博物館 > ジュニア科学賞・とやま > 第15回[平成29年度]
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第15回「ジュニア科学賞・とやま」表彰式
(2018年2月13日 富山市科学博物館にて)
自然に対する鋭い観察眼をもつ理論派。お母さんにタンポポをプレゼントしたことが研究のはじまり。黄色い花が白い綿毛に変わり、その種が発芽してからちょうど100日目に再び綿毛になったとき、命の営みに感動し、自然が大好きになる。日本古来のニホンタンポポを守りたいと願っている。
6年間継続してふる里のタンポポを研究し、分類や生活史の特徴を詳しく観察してきた。今年はタンポポの雑種の存在にも気付き、それらの分布や特徴について調べ、比較実験によりその生命力の強さを論理的に明らかにしていることがすばらしい。その鋭い観察力と粘り強い研究姿勢は特筆に値する。素直な観察眼をさらに磨き、自然に対して謙虚な姿勢をもつ科学者を目指してほしい。
「剱岳に吊し雲がかかると天気が悪くなる」ということわざを立証するために、毎日剱岳にかかる雲の写真撮影や気圧の測定、天気図のファイリング、実際の天候の記録を4年間続けた頑張り屋。51冊にもおよぶ野帳のデータを活用し自信をもって研究に挑む。今日もまた剱岳をながめている。
レンズ雲(吊し雲)は天気の悪化を知らせる雲であることを、長期にわたる定点観察データをもとに独自に立証したことは賞賛に値する。今年は、波状雲と天気との関連性についても研究し、より広い視野で雲と天気の関係を明らかにしている。粘り強い観察を強みとする科学者を目指してほしい。
砂の落とし穴をつくるアリジゴクのことを母親から聞いて関心を高め、自分で探し、飼育実験をしながら5年間研究を続けてきた。アリジゴクをかわいいと思う気持ちが、いろんなことを知りたいというエネルギーとなり、独創的な観察・実験のアイディアを生み出す。実験室化した勉強部屋で研究を楽しんでいる。
2色の粒径の異なるカラーサンドを使った巣穴形成時の砂の投てき実験や、巣穴作りに適した場所への移動距離測定など、オリジナリティーのあるユニークな実験を行いながら、アリジゴクの生態を明らかにしている点が高く評価できる。今後も発想力を伸ばし、創意工夫して、一つのことをじっくり探究する姿勢を続けてほしい。