天球儀所蔵一覧 富山市科学博物館HOME > 富山市天文台トップ > 天文の部屋 > 江戸時代の天文学 > 天球儀所蔵一覧

天球儀の所蔵場所一覧




 全国的に所蔵場所を調査していますが、ここに記載されていないものもあるかと思います。その時にはお教えいただければ幸いです。調査結果を検討中ですので、記載に誤りがある場合があります。その節はお許し願います。
  都市名 所蔵場所 直径 素材 年代 説明 星図の出典
1 青森県
弘前市
弘前市立博物館 36.8cm 木製黒漆塗 不明  弘前藩士佐藤弥六(1842−1923)の旧蔵品という説があるが、確認できなかった。 天文分野之図
2 岩手県
一関市
一関市博物館 19.0cm 紙張子
胡粉塗
不明 地球儀と一対になっている。 天文分野之図
3 宮城県
岩出山町
個人蔵
有備館展示
26.5cm 木製
布地貼
18世紀 名取春仲関係の天球儀。赤道、黄道、銀河、渋川春海制定の星座あり。下規には星座の記載なし。
土浦市立博物館第十二回特別展「地球儀の世界」(1994)P.14
岩出山町「天文暦学者 名取春仲と門人たち」(2002)
天文成象
4 宮城県
仙台市
仙台市天文台 70cm 紙張子
胡粉塗?
18世紀? 全周を384 等分する経緯線が引かれている。 星図の記載がない
5 宮城県
仙台市
仙台市天文台 40cm 紙張子
胡粉塗?
18世紀?   星図の記載がない。
   宮城県
仙台市
仙台市天文台 未調査 紙張子 未調査 中子か作成中のものか、球が残っている。穴が384個ある。 星図記載なし。天球儀とはいえないが、参考までに。
6 栃木県
足利市
足利学校 29.8cm 紙張子 文化年間
文化三年〜八年の可能性もある

尾張大納言の家来本田政蔵が寄進した。春海の星座が少し見られる。
渡辺敏夫著「近世日本天文学史」(下)に写真あり。
詳しい報告は足利学校所蔵天球儀修復報告書にあり。
天文成象+霊台儀象志
7 茨城県
笠間市
稲荷神社 約23cm 紙張子   小野友五郎使用と伝えられる。
大・小マゼラン雲があり、西洋の影響を受けている。
目盛は360度。
天文成象+南天の星座
8 茨城県
水戸市
水府明徳彰考館 未調査 未調査 未調査 未調査  
9 千葉県
佐倉市
国立歴史民俗博物館 約37.0cm 紙張子
胡粉塗
不明 秋岡武次郎氏所蔵。 天文成象
10 千葉県
佐倉市
国立歴史民俗博物館 20.0cm 白紙張子
胡粉塗
不明 秋岡武次郎氏所蔵。 儀象考成
11 千葉県
佐倉市
国立歴史民俗博物館 約32.5cm 黒漆 不明 秋岡武次郎氏所蔵。天球儀に環がついたものである。
箱書きには渾天儀とある。機能は渾天儀に近いが、みかけは天球儀である。箱には小西妙然蔵とある。
箱状の支持柱。
星座は主に二十八宿が描かれ、ほかは北斗と北極の星だけである。
星図が少なく、同定が困難。
12 千葉県
佐倉市
堀田家 約29.5cm 白紙張子
胡粉塗
不明 星は金、赤、黒で、銀河は金粉。春海の星座、南極付近の星はない。
蘭学と関係の深い佐倉藩主堀田家の所蔵。
未調査
13 埼玉県
上里町
個人蔵 20.4cm 紙張子 不明 二十八宿とその名前のみ掲載されている。 星図が少なく、正確でないため、同定不可能
14 東京都
台東区
東京国立博物館 30.3cm 黒漆塗 安永年間 酒井佐忠が元禄3年(1690)に湯島聖堂に献納したものが、明和9年火災で焼失。
安永年間に酒井修理大夫貴貫が改めて製作したものが現存のものの原型。天保14年に天文方山路諧孝により修復。改めて酒井忠義が献上。
恒星位置は山路諧孝により「霊台儀象志」によると思われる。春海命名の星座が見られる。南極付近の星が記入されている。星は金泥、銀河は梨地にして描かれている。地平環及び台座は紫檀製、子午環は赤銅製である。分点1740年頃。目盛は360度。高さ43.0cm。
神戸市立博物館「日蘭交流のかけ橋」(1998)P.143
天文成象+霊台儀象志
15 東京都
台東区
国立科学博物館 約36.5cm 白紙張子
胡粉塗
1697年 渋川春海作。
春海の星座が青色で記入されている。架台は後世に作られたもの。
赤道は赤線で示されているが、度盛りはしていない。
黄道は365 個の小さい穴で示され、太陽・月・惑星などを差し込めるようになっている。
二十八宿距線は非常に不明瞭であるが、厳密に書かれている。
渋川春海の弟子の谷秦山の谷家に伝えられたもの。
天文成象
16 東京都
台東区
国立科学博物館 約38cm 紙張子
胡粉塗
不明 南極付近に若干星あり。谷津家。 天文成象(春海の星図はない)
17 東京都
台東区
国立科学博物館 約23.5cm 未調査 不明 古書展で井本進氏が購入されたもの。
元々は名張藩主藤堂家に関係があったもの。
渡辺敏夫著「近世日本天文学史」(下)に写真あり。
天文分野之図
18 東京都
台東区
国立科学博物館 約46cm 銅製 不明 旧延岡藩主内藤家所蔵。渋川春海作。
渾天新図と呼ばれるもの。架台なし。星は真ちゅう鋲と丸い印に青色塗料を塗ったもの。
南極付近に星はない。
天象列次之図
19 東京都
台東区
国立科学博物館 約30cm 紙張子
雁皮紙のようなものを貼りつけた
不明 旧延岡藩主内藤家所蔵。
墨で星を記入したもの。
南極付近にも星あり。虫孔が多数あり、南北両極付近が破損している。
天文成象+霊台儀象志?
20 東京都
台東区
国立科学博物館 約30cm 木製
胡粉塗
不明 旧延岡藩主内藤家所蔵。木製天球儀?
5個の木製水瓜形を組み合わせて、球面を作り、その表面に胡粉様のものを塗ったもの。
天文成象+霊台儀象志?
21 東京都
台東区
国立科学博物館 約35cm 木製
黒漆塗
不明 旧延岡藩主内藤家所蔵。
星は4色に分けられ、直径に大小があり、等級を表している。
赤道は366 個の小さい孔をあけた銅帯金を埋めこんでいる。
天球は365 1/4 の目盛りをうった子午線環で支えられている。
天文分野之図+他の星図
22 東京都
台東区
国立科学博物館 25cm 紙張子
胡粉塗
1855年
安政2年作
南極付近には星は記入していない。春海の星座なし。
銀河は小点。安政5年のドナチ彗星の位置が記入されている。
儀象考成
23 東京都
渋谷区
旧東京都五島プラネタリウム 約30.5cm 銅製 不明 中国の銅製。南極付近に星あり。1770年作か? 儀象考成
24 東京都
文京区
永青文庫 52.8cm 銅製 1673年
(寛文13年)
渋川春海 津田友正作。肥後熊本藩主細川家に伝えられたもの。渾天新図と呼ばれる。大小の龍のようなものが、地平環と天球を支えている。
二十八宿と北斗が金銅鋲、金平象眼で、その他の星が銀鋲、銀平象眼で表されている。銀河は小刻点で示されている。南極付近に星はない。高さ61.2cm。
神戸市立博物館「日蘭交流のかけ橋」(1998)P.142
未調査:天象列次之図
25 新潟県
柏崎市
柏崎市立図書館 30cm 白紙張子
胡粉塗
不明 天文学士 村山禎治所蔵。
村山禎治は柏崎の測量家・和算学者で、自ら天文学士と称している。
天の川あり。南極付近に星座あり。緯度は37度位。木製架台。
赤緯赤経の線は10度ごと。黄経の線は30度ごとにある。
儀象考成
26 新潟県
小千谷市
小千谷市立図書館 約25cm 白紙張子
塗りはなし
不明 球体のみ。
広川清軒所蔵。広川清軒は江戸末期の和算家。
天の川、南極の星座あり。黄道に二十四節気が書かれている。
赤経の線は30度ごと。赤緯は10度ごと。赤道は赤、黄道は黒で表されている。
星は黒であるが、いくつかの星はだいだいである。
南極に十二支が書かれている。
儀象考成
27 三重県
伊勢市
神宮徴古館 32.4cm 紙張子
胡粉塗
1690年
元禄3年
渋川春海作。
鉄製子午線環、地平環を備え、木製台座にのっている。
子午線環の一面に365 度1/4 の目盛を持つ。
度盛りのない赤線で示した赤道と366 個の小さい穴で黄道を示している。
南極付近に星の記載がない。春海作の星座なし。
渡辺敏夫著「近世日本天文学史」(下)に写真あり。
未調査:天文成象の前段階?
28 三重県
伊勢市
神宮徴古館 8.6cm 白紙張子
胡粉塗
不明 大正7年多村知常氏寄贈。
子午線環、地平環を備え、木製台座にのっている。
星は6等に分けられ、春海星座なし。目盛は360度。
未調査:儀象考成か?
29 三重県
桑名市
楽翁公百年祭記念宝物館 21.8cm 白紙張子
胡粉塗
寛政頃か? 子午線環、地平環を備え、木製台座にのっている。
星図は「天文成象」
天文成象
30 京都府
京都市
大将軍八神社 34.6cm 木製 不明   天文成象
31 京都府
京都市
京都大学付属図書館 35.5cm 白紙張子
胡粉塗
不明 赤道は度盛りの少ない赤線で、黄道は365 個の小さい穴で示されている。
南極付近に星はない。銀河は金泥。春海の星座を含む。
天文成象
32 京都府
京都市
同志社大学 約35cm 紙製 1701年作 子午規の円周は365度強である。 未調査:天文分野之図
33 大阪府
大阪市
大阪歴史博物館 23cm 白紙張子 不明 間家旧蔵。目盛は360度。
大阪市立博物館「羽間文庫」(2000)p.7に写真あり。
江戸さいえんす図鑑(1991)P.9に写真あり。
渡辺敏夫著「近世日本天文学史」(下)に写真あり。
天文分野之図
34 大阪府
大阪市
南蛮文化館 24.8cm 木製、黒漆塗 不明 二十八宿と5つの惑星、北斗七星しか記入されていない。目盛は360度。
京都市内の某寺の旧蔵品。
土浦市立博物館第十二回特別展「地球儀の世界」(1994)P.21
星図が少なく、同定が困難。
35 大阪府
枚方市
久修園院 52cm 銅製 元禄頃か? 久修園院の住職の宗覚が製作。箱には「天球之図」という墨書がある。子午環に「以天文博士保井算哲之図模作■ 老比丘宗覚正直自運錐さん■■」と刻まれている。
土浦市立博物館第十二回特別展「地球儀の世界」(1994)P.37
天文分野之図+他の星図?
36 和歌山県
和歌山市
正立寺 未調査 白紙張子
胡粉塗
不明 中谷桑南旧蔵。
星の明るさを6等級に分けている。
儀象考成
37 兵庫県
川西市
多田神社 31.3cm 紙張子胡粉塗 1700年
(元禄十三年)
渋川昔尹作。 天文成象
38 兵庫県
神戸市
神戸市立博物館 23.3cm 紙張子
胡粉塗
不明 池長猛氏コレクション。 天文成象
39 兵庫県
姫路市
龍門寺 30.6cm 黒漆 不明     天文分野之図
40 島根県
津和野町
津和野太鼓谷稲荷神社 37cm 木製 1808年作 津和野藩士、堀田仁助作。木製の球体に真ちゅう製の子午環をはめたもの。360 度の目盛がある。高さ60cm。
渡辺敏夫著「近世日本天文学史」(下)に写真あり。
天文成象
41 香川県
坂出市
鎌田共済会郷土博物館 28cm 漆喰塗 文化6年頃 久米通賢作。しっくいに紙をはったもの。
目盛は360度。
蘇頌星図+他の星図
42 大分県 三浦晋一氏
(三浦梅園宅)
未調査 18世紀 木・紙製
手書彩色
地平環、子午環があり、黄道、赤道、銀河が記載されている。高さ41.1cm。三浦晋一氏宅には星図も残っている。
渡辺敏夫著「近世日本天文学史」(下)に写真あり。
神戸市立博物館「日蘭交流のかけ橋」(1998)P.144
蘇頌星図+他の星図
43 鹿児島県
鹿児島市
黎明館 21cm 紙張子
胡粉塗
不明   未調査:天文成象
44   トヨタコレクション 21.5cm 紙張子
胡粉仕上げ
天保二年間(1831) 福井県大野町の寺院で発見されたもの。
二十八宿で区切って入るほかに黄極でも区切っている。
地平環、天経環があり、天の北極、南極の軸で回転する。
(芸術新潮2001年7月号P.53)
儀象考成
45   個人蔵       2003年「江戸大博覧会」の図録に掲載されているもの。お宝鑑定団に出品されたもの。 天文分野之図
46   個人蔵 23cm 木製、漆喰塗 不明 球体のみ。黄道、赤道、銀河が記載されている。下規には星座は記載されていないようである。伊達安芸家伝来。
土浦市立博物館第十二回特別展「地球儀の世界」(1994)P.22
未調査:天文成象
47 不明 個人蔵 不明 紙張子、胡粉仕上 不明 1994年「からくり夢工房」に掲載されているもの。 未調査
48   個人蔵 未調査 黒漆塗。 不明      天文分野之図
49   個人蔵 未調査 紙張子 不明     天文成象
50   個人蔵 未調査 紙張子? 不明 2006年江戸東京博物館に展示されたもの 天文成象?


西洋製天球儀の所蔵館

1      奈良県
天理市
天理図書館 未調査 未調査 未調査 西洋製天球儀。13基あり。
2 中国・
四国地方
広島県
福山市
福山誠之館高校 未調査 未調査 未調査 西洋の星座の天球儀。阿部正弘関係資料。
3      佐賀県
武雄市
武雄市文化会館 24.8cm 銅版 1750年
天保15年取得
ファルク父子(Gerard & Leonard Valk)がオランダのアムステルダムで製作し、輸入された西洋星座の天球儀。鍋島家で保存されたもの。収納の箱に「天保十五年辰春」とある。高さ34.5cm。
江戸さいえんす図鑑(1991)P.9に写真あり
神戸市立博物館「日蘭交流のかけ橋」(1998)P.117
4      長崎県
平戸市
松浦史料館 未調査 未調査 1700年 ファルク製作の西洋星座の天球儀。


模型を所蔵している館

館名 元の渾天儀 備考
千葉県千葉市立郷土博物館 佐倉市堀田家 完全復元模型です。


焼失あるいは行方不明の天球儀

都市名 元所蔵場所 備考
京都府
京都市
元嵐山美術館 約28cm、1784年作、もともとは徳川家の所蔵か。
東京都
三鷹市
東京天文台(現国立天文台) 戦火焼失。黒漆塗。
兵庫県
龍野市
個人蔵 永井豊房の元禄16年(1703)の天球儀の台のみ存在する。
徳島県
徳島市
旧制徳島中学校 戦火焼失。直径約34.5cm。張子製胡粉塗。小出光教作。安田辰馬(天文月報,27,9,1934)あり。
高知県
高知市
山内宝物館 小川清彦(天文月報,27,3,1934)及び神田茂(天文月報,30,10,1937)に記載あり




天球儀関係論文、参考文献

著者名 論文名 出典 備考
広瀬秀雄 天球儀覚え書 五島プラネタリウム学芸報第6集(1978)    
渡辺敏夫 天球儀について 近世日本天文学史(下)P.842-845    
宮島一彦 日本に現存する古い天球儀 談天通信(1997)    
安田辰馬 足利学校に保存せらるる天球儀に就いて 天文月報 Vol.25,No.5(1932)P.85    
神田茂 足利学校に保存せらるる天球儀に就いて、附記 天文月報 Vol.25,No.5(1932)P.87    
足利市教育委員会 足利学校所蔵天球儀修復報告書 史跡足利学校報告書第2号(1994)    
鈴木敬信 東京帝宝博物館所蔵の天球儀に就いて 天文月報 Vol.26,No.4(1933)P.61    
安田辰馬 東京帝宝博物館所蔵の天球儀に就いて 天文月報 Vol.26,No.4(1933)P.62    
上田穣 東京帝宝博物館所蔵の天球儀に就いて 天文月報 Vol.28,No.4(1935)P.55    
小川清彦 谷家天球儀の調査 天文月報 Vol.27,No.3(1934)P.41 現国立科学博物館所蔵
井本進 藤堂家旧蔵渋川春海作天球儀 天文月報 Vol.57,No.2(1964)P.26 現国立科学博物館所蔵
上田正康 京都帝国大学宇宙物理学教室所蔵天球儀の調査 日本天文学会要報Vol.6,No.2(1940)P.71 現国立科学博物館所蔵
安田辰馬 阿州の暦算学者小出長十郎先生と其使用天球儀 天文月報 Vol.27,No.9(1934)P.161 戦火焼失
安田辰馬 京都帝国大学附属図書館所蔵の天球儀 天文月報 Vol.27,No.7(1934)P.129    
安田辰馬 神宮徴古館農業館所蔵の天球儀 天文月報 Vol.31,No.8(1938)    
宮島一彦 同志社大学所蔵・元禄14年製天球儀の位置づけ 同志社大学理工学研究報告Vol.21,No.4(1981)P.2    
神田茂 山内家所蔵の天球儀 天文月報 Vol.30,No.10(1937)P.169 行方不明
篠崎長之・長岡元康 山内家所蔵の天球儀及地球儀について 土佐史談No.59(1937)P.125 行方不明
古賀豊城 鹿児島集成館の天球儀に就いて 天文月報 Vol.26,No.10(1933)P.183    



富山市科学博物館:富山市天文台
作成 2001
最終更新 2007-07-12
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