富山市科学文化センター > OnLine図書室 > これまでの特別展 > 平成14年度特別展 > 普及雑誌 特別展「はかる」特集(ウェブ版)
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「はかる」という言葉は、「長さを測る」や「重さを量る」や「時間を計る」などのように使います。「はかる」ことによって、「2mの長さ」や「5kgの重さ」や「30秒の間」というようなことが分かります。「はかる」とは、長さや重さや時間など、「物の量」を調べることをいいます。
はかり方は、大きく分けて二つあります。一つは、見た目で見当をつける方法で、「目測」といいます。これに対して、ものさしやはかりを使って物の量をきちんと数字で表すはかり方を「実測」といいます。目測であっても、実測であっても、はかることで、物の量を数字であらわせます。
数字で表せると、あいまいさなしに物事を判断できるようになります。例えば「太郎君は背が高い、次郎君も背が高い」だと、太郎君と次郎君のどちらの方が背が高いか分かりません。「太郎君は身長178cm、次郎君は180cm」であれば、太郎君より次郎君の方が背が高く、しかも2cm高いということも分かります。ここで、太郎君と次郎君が背比べをして、どちらの背が高いかを調べてみるのもいいでしょう。でも、このあと三郎君、四郎君、五郎君と、もっと多くの人と比べる場合、いちいち二人ずつ背比べをするとなると大変です。え?背の順に並ぶのは簡単だ?では、体重の順に並びたい時はどうでしょうか。体重順の時は、そもそも二人の体重を比べるのに、体重計で量ってみないと分からない場合も多いことでしょう。全員の体重を量って数字にしてみて、初めて体重順に並ぶことが出来ます。つまり、はかることによって、物の量を数字で表せるようになり、ものごとを正確に判断し効率よく扱えるようになるのです。
かつて、星の動きを精密に測定し、太陽ではなく地球が動いていることに気づいた人がいました。また、黒鉛からできたススの成分を注意深く測定し、思いもかけずサッカーボール型の新しい分子を発見しノーベル賞を受賞した人たちがいました。「はかる」という行動は、科学上の偉大な発見につながることもあります。何かに対して好奇心を抱いたら、何かを見て疑問に思ったら、「はかって」みてください。そこが科学への入り口です。
はじめに | 重さ | 長さ | 時間 | 温度 | 単位 |