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とても小さな原子や分子の大きさ、非常に大きな地球や宇宙の大きさは、ものさしでは測れません。でも、その大きさや形は百科事典などに載っています。これはどのようにはかったのでしょうか?
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・小さいものをはかる(アメ玉から原子まで)1cm位の大きさなら、ものさしで測れます。物の形も目で見れば分かります。ただし、目盛の細かさ(精度)は1mm程度ですので、より細かく知りたいときは、ノギスという特別なものさしを使います。ノギスには、バーニヤという補助目盛が付いており、ものさし本体の目盛と組み合わせて、0.02〜0.1mmの精度で測定できます。さらに細かく測るときは、ネジの仕組みを利用したマイクロメーターを使えば、0.01mmの精度で測れます。
1mmより小さいものの場合、目で見ても形はよく分かりません。まずは虫眼鏡(ルーペ)で観察します。それでも小さいときは、顕微鏡を使います。顕微鏡を使えば、1000倍くらいの倍率で1μm(1マイクロメートル=1/1000mm)くらいの物まで見えます。観察している物の大きさは、顕微鏡の拡大倍率と見た目の大きさから計算するか、視野内に測定用目盛を置いて求めます。 さらに小さい物を調べたいときは、電子顕微鏡や走査型プローブ顕微鏡を使います。電子顕微鏡は、光の代わりに電子のビームを使って拡大像を得ます。走査型プローブ顕微鏡は、先端が原子一個分くらいの鋭い「針」を使い、試料の表面をつつくようにして調べます。ともに、原子や分子くらいの大きさまで見ることができます。 ◇ ・大きいものをはかる(人間から宇宙まで)1m程度の長さなら、ものさしで直接はかることができます。それより長い場合は、巻き尺を使います。 1km程度の長さは、人工衛星からの信号を使って地球上での位置を知るGPSという方法で、測ることができます。GPSはカーナビなどにも使われています。また、レーザーが目標物に反射して戻るまでの時間から、距離を測ることもできます。月までの正確な距離は、この方法で測定されました。
さらに長い距離は、三角形の性質を利用して測ります。三角形は、一辺とその両端の角の大きさが決まると、三角形の形がきまるので、残りの二辺の長さもわかります。このような測定方法を「三角測量」と呼びます。
この方法で、一辺を学校と家までの距離として山の見える角度を測れば、山までの距離がわかります。さらに長い距離を基準にすれば、月までの距離も分かります。月と地球の距離が分かると、太陽までの距離も分かります。地球と太陽までの距離が分かると、遠く1000光年先の星までの距離も測れるようになります。
さらに遠い天体までの距離を測りたい場合、直接そこまでの距離をはかる方法はありません。そこで、以上のような方法で測定してきた距離のデータを基に、さまざまな推測によって、さらに遠くの距離を求める、という方法が現在とられています。 |
はじめに | 重さ | 長さ | 時間 | 温度 | 単位 |