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普及雑誌「とやまと自然」2002年度 夏の号 特別展「はかる」特集(ウェブ版)

■さまざまな「はかる」:▼時間をはかる(計る)

時の流れは、過去から現在、未来へと、どまることはありません。後戻りしませんし、早く進むこともありません。すべての人にとって平等に同じ速さで流れています。この時の流れの中で、何かが起こった、あったというその瞬間が「いつ」なのかを表すのが時刻です。ある時刻からある時刻までの間の長さを時間といいます。

このような時刻や時間を計るためには、同じ動きを常に繰り返すものが使われます。それらを「時計」といいます。

昔から使われている時計には、日時計や水時計、砂時計などがあります。日時計は、立てた柱が日光に照らされてできる影の方向を見ることで、時刻を知ります。太陽が毎日決まって東から昇り、一定の速さで動いて西に沈むことを利用したものです。水時計は、一定に流れる水や、一定に落ちる水滴を利用して、その時の水の量から時刻をはかります。砂時計は、一定量の砂が流れ落ちる時間を利用しています。

時代が進むと、振り子やぜんまいバネを利用した機械式時計が発明されました。振り子時計は、振り子が一定の周期で揺れることを利用しています。この周期は、糸の長さで決まります。糸の長さが1mの振り子では、左から右(または右から左)に揺れるのにかかる時間は、約1秒です。

ぜんまい式時計は、バネを縮めて手を離すと、一定の周期で伸び縮みするというバネの性質を利用しています。

これら機械式時計は、振り子やバネの周期的な動きを歯車に伝えて文字盤の上の針を動かし、時刻を示します。

20世紀になると、水晶時計が作られ、時計の精度がとても向上しました。水晶時計は、水晶に特定の方向から電圧をかけると規則的に振動する、という性質を利用しています。普通の時計には、一秒間に3万2768回振動する水晶が使われています。この振動を電気信号に変え、モーターで針を動かしたりデジタル表示して時計にしています。

現在、最も正確な時計は原子時計です。原子時計は、ある条件の下で原子は決まった振動数の電波を吸収する、という性質を利用しています。世界の時刻の標準となっている原子時計では、質量数133のセシウム原子を使い、一秒間に91億9263万1770回振動する電波を利用しています。この電波と電気回路を組み合わせて、正確な周波数の交流電流を作り、モーターを動かしたりデジタル表示したりして、時計にしています。

道具を使わずに時間を計る方法も考えてみましょう。まずは、頭の中に時計を思い浮かべて、「1,2,3...」と数える方法があります。もう一つ、自分の脈拍を数える方法もあります。大人の一分間の平均の脈拍は約60回です。個人差や体調によっても変わりますが、だいたい1秒に1回というわけです。日頃から自分の脈拍を知っておけば、役に立つことがあるかも知れませんね。

はじめに 重さ 長さ 時間 温度 単位

富山市科学文化センター
公開 市川 2002-08-18
最終更新 市川 2003-03-26
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