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今月の話題:No.55

太陽電池

 太陽電池というと、少し前までは特殊な用途だけに使用され、なかなか実物にお目にかかることがありませんでした。最近では、以前よりも大量に作られるようになり、電卓や腕時計などの電子機器の電源として小型のものが一般にも使われ始めています。しかし、今のところ出力1ワット当りの単価は1万円ぐらいもするので、もし、家庭の電気製品に使う電気をすべて太陽電池でまかなうとすると、大量の太陽電池が必要となり、かなりの費用がかかります。

 また、太陽電池は太陽の出ている昼間しか電気を作れないのでバッテリーと組み合わせて、夜や雨の日でも電気を使えるようにしなければなりません。それでも、電灯線の引けないところにある施設の電源としていろいろな所に使われています。例えば、空の上では人工衛星の電源として、地上では山奥の無線中継所や無人の気象観測所、灯台などの電源として使われています。また街や公園の中の時計や街灯の中にも太陽電池を使ったものがあります。

 ところで、太陽電池は、名前から考えると乾電池の仲間のように思えますが、全く別のものです。乾電池は化学反応によって生ずるエネルギーを電気としてとり出しますが、太陽電池は光のエネルギーを直接電気エネルギーに変えるはたらきをします。結局、何の仲間かというと、トランジスタやIC、LSIなどの半導体製品の仲間なのです。

 現在の太陽電池は太陽の光のエネルギーの約10%ぐらいを電気エネルギーに変えることができますが、もっとこの効率を上げる研究や、もっと安く太陽電池を作る研究が行われています。

 将来、太陽電池がぐっと安くなれば、各家庭の屋根がわらは太陽電池板に替えられ、家で使う電気はすべて屋根の上で作られるような時代がやってくるかもしれません。

文:朴木
発行:昭和57年10月1日


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