当天文台について
沿革
富山市天文台は1956年に開館しました。国内の公開天文台の中では3番目に長い歴史を持つ天文台です。当初は富山市中心部から程近い呉羽山にあり、鏡磨きの名人と言われた木辺成麿(きべしげまろ)氏の研磨による口径40cmの主鏡を備えた反射望遠鏡を設置し、天体や天文学への興味関心を高める様々な活動を行ってきました。また当時は珍しかった口径25cmF2のシュミットカメラと独自開発の冷却カメラによって多数の貴重な天体写真を撮影し、さらにやはり当時は珍しかった月のビデオ撮影も行いました。
周囲の街明かりの影響が大きくなり、また望遠鏡や建物の老朽化が進んだことから、1997年、より自然の豊かな富山市三熊へ移転しました。現在の天文台では、口径1mの主鏡と人工衛星を追尾できる高精度の架台を持った天体望遠鏡を設置しています。
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1954年4月 | 富山産業大博覧会の展示の一つとして、口径40cm天体望遠鏡が設置される(博覧会終了後は市役所屋上に仮設置。当時の様子は富山市郷土博物館の博物館だより第四号に詳しくあります)。 |
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1956年9月7日 | 呉羽山に富山市天文台が建設され、口径40cm天体望遠鏡を移設し、初めての観測会を開催(火星の大接近に合わせて)。 |
1957年4月26日 | アランド・ローランド彗星観測。 |
1957年8月20日 | ムルコス彗星観測。 |
1957年10月14日 | 人工衛星「スプートニク1号」(ソ連)を観測。 |
1959年3月24日 | シュミットカメラ設置。 |
1963年7月21日 | 北海道皆既日食を美幌にて観測。 |
1964年? | 県内でいん石調査。 |
1964年8月 | 天体写真シリーズ第1集「月令」発行。 |
1965年9月1日 | ビデオカメラを利用した天体観測会の開始。 |
1965年10月 | 池谷・関彗星観測(10月20日には昼間の写真撮影にも成功)。 |
1972年8月 | ジャコビニ・ツィナー彗星観測。 |
1974年1月6日 | コホーテク彗星観測。 |
1976年3月5日 | ウエスト彗星観測。 |
1985年11月?12月 | ハレー彗星観測。 |
1987年 | 火星大接近観測。 |
1994年7月 | シューメーカー・レヴィ第9彗星の木星への衝突跡を観測。 |
1996年3月 | 百武彗星観測。 |
1997年4月 | ヘール・ボップ彗星観測。 |
1997年6月 | 呉羽山での最後の観測会。 |
1997年7月19日 | 現在地(富山市三熊)に移転、新築。 |