カゲロウ

 川の中の石をひっくり返して見るといろんな虫が見つかりますが、その中で一番よく見かけるのがカゲロウの仲間の幼虫です。渓流でイワナやヤマメを釣る人がエサにする川虫の中で、チョロムシとかピンピンムシとか呼んでいるものがそれに当たるようです。カゲロウの幼虫の特徴は、頭がわりあいに大きくアゴと肢が発達し、大きな複眼や腹部の側面のエラ、体の後端に二本もしくは三本の尾があるというところです。カゲロウの幼虫のエラは気管鰓と呼ばれ、魚の鰓とは違い、血液中に酸素を溶け込ませるのではなく気体として気管の中に取り込みます。カゲロウが成虫となるのは春に多く、英語でメイ・フライ(五月の虫)と呼んでいます。カゲロウが他の昆虫とまったく異なるところは成虫になる前に亜成虫という段階を経ることです。亜成虫は、成虫と同様にハネが伸びてちゃんと飛べるのですが、成虫のようには透き通らず、尾も長くありません。成虫になると数日の命です。


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