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菊池コレクション
--富山を中心とした貝類--


故菊池勘左ェ門先生がその一生涯をかけて研究された貝類コレクション1万点余が、平成6年春に富山市科学文化センターに寄贈されました。このたび、整理が完了しましたので、ここにその一部約500種1200点を紹介いたします。
1.寄贈のいきさつ
 菊池先生の貝コレクションをご子息三郎様のご好意で、先生が30年近い年月を過ごされた富山県に置くことになり、当館に寄贈されました。

2.寄贈品の概要
 菊池コレクションは、富山湾や日本海各地で調査された貝類が多く、産地などのデータが整備されており、新種や富山湾新記録の標本も多く、学術的にもたいへん貴重なものです。特に、先生が富山湾の動物相の解明に尽力されましたので、当時種名が分かっていなかった微少種の収集にもたいへん努力され、小型種の多いのもこのコレクションの特徴です。
 このコレクションは貝類をはじめ、富山の動物を知る上にたいへん貴重なものであり、今後多くの研究者の研究の参考になっていくものと思われます。

>菊池先生について

 菊池勘左エ門先生は明治28年(1895)新潟県佐渡郡河崎村下久知(現両津市)に生まれ、大正7年(1918)広島高等師範学校卒業後、旧制佐賀中学校、富山高女、旧制富山高等学校、魚津中学校校長、高岡中部高等学校校長など、長きにわたって、富山県で勤務され、科学教育の普及啓発に力を注がれ、富山県博物学会初会長として、偉大な功績を残されるなど、富山県教育界で活躍した人として有名である。
 研究面では、富山湾の貝類研究に従事され、新種の記載や、富山における新記録の貝も多く発見され、富山県の貝類研究の草分けになった。

菊池先生略歴
明治28年(1895)新潟県佐渡郡河崎村(現両津市)で生まれる
大正7年(1918)広島高等師範学校本科卒業
7年(1918)佐賀中学校教諭
10年(1921)富山高等女学校教諭
この間、旧制富山高等学校尋常科教諭、旧制魚津中学校校長や高岡中学校校長など歴任。アメリカ出張
昭和22年(1947)富山県教育民生部(視学)
23年(1948)新制高岡中部高等学校校長
24年(1949)郷里佐渡に帰る
25年(1950)新潟県両津高等学校長
32年(1957)佐渡博物館長
33年(1958)両津市教育長
55年(1980)永眠

菊池先生の発見した貝
貝類12種を発見された。そのうち菊池先生自身が新種記載した貝は、ユキノツノガイ、ハブタエツノガイ、トヤマツノガイ、ロウソクツノガイの4種である。

富山市科学文化センター
最終更新 市川 2002.01.21.
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