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富山市科学文化センター平成17年度特別展

琉球列島の自然」 概要

 

        富山市科学文化センター

 

 亜熱帯の島々からなる琉球列島には、富山とかなり違う自然や生き物が見られます。

 琉球列島には、イリオモテヤマネコやヤンバルクイナなど、学術的にも貴重な動物がいたり、

島ごとに模様の異なる蝶がいるなど、島をめぐる生き物の分布がおもしろいことから、

琉球列島は「東洋のガラパゴス」とも言われています。

 この展示では、貴重な生きものや富山にはない亜熱帯の自然について、センターの資料や

沖縄などから借用したたくさんの資料と美しい映像を使って紹介する、科学文化センターの

オリジナル企画展です。

 

 展示期間:    平成17715日(金)〜911日(日)

 展示場所:   富山市科学文化センター 2階 特別展示室

 

    

データ:
展示の構成:6コーナー
展示標本点数:約390点
        イリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナ、マングローブ、海藻アートなど
       (沖縄県立博物館、沖縄県環境衛生研究所、群馬県立自然史博物館、東京農大、サガラナオミ氏らから借用

    したもの168点。収蔵資料約220点。)
展示写真点数:約240点
   鳥、カエル、魚、ウミウシ、エビ、植物など
   (沖縄県立博物館、木下直樹氏、荒木克昌氏、横田昌嗣氏らから借用したもの170点。収蔵写真約70点。)
     生物展示:植物12点、魚類など8点

展示の内容:
1 ようこそ琉球列島へ・ここは亜熱帯の島々
  琉球列島の自然や景観、野生生物、富山との気候の違いなど、琉球列島を象徴する写真およびビデオ、

パネルで表現。美しい大型の貝も展示しています。

   

2 琉球列島のおいたち
琉球の島々を形成している石灰岩、そこから見つかる動物化石を展示し、琉球列島の成り立ちについて紹介しています。

   

3 熱帯の海の生き物たち
  3-1 サンゴ礁にいる熱帯魚、サンゴ礁にいる熱帯魚
  サンゴ礁の紹介と動物であるサンゴの解説を行い、サンゴ礁にすむ魚類を、
剥製標本と水中映像、写真、ミニ熱帯魚水槽で紹介しています。

   

 3-2 琉球列島の貝・ウミウシ
 サンゴ礁やマングローブに生息する多数の貝を、センターの貝類標本を使って紹介するほか、サンゴ礁にすむ

ウミウシを、木下直樹氏の水中写真とコンピュータのスライドショーで紹介します。

   

 

 3-3  サンゴ礁にいるエビとカニ
サンゴ礁にすむエビやカニ実物標本と、木下直樹氏の水中写真とスライドショー(3-2と「共通)で紹介します。

  

3-4 暖かい海の海藻
  海藻アート作家サガラナオミ氏の美しい作品を使って、沖縄の海で採れる海藻を紹介しています。また、

食用とされる海藻と海藻標本の作り方についても展示しています。
   

4 亜熱帯の陸の生き物たち
  4-1 鳥と動物
  琉球列島にしかいない、ヤンバルクイナ、ノグチゲラ、ルリカケス、アマミヤマシギなどの野鳥、イリオモテヤマネコ、

オリイオオコウモリなどの哺乳類を標本、ビデオ、写真で紹介しています。

  

  4-2 ちがいがわかるかな?
  本州のニホンイノシシに比べると、うんと小型のリュウキュウイノシシや本州のものと比べると体の色が黒っぽい、

シジュウカラやヒヨドリなどを展示しています。
 

  4-3 島にとじこめられたカエルやヘビ
  琉球列島にしかいないイシカワガエルやオットンガエルなどの両生類やクロイワトカゲモドキ、ハブ、

リュウキュウヤマガメ、セマルハコガメなどの爬虫類を展示しています。

  

 4-4  虫
琉球列島で見られるチョウ類、トンボ類、クワガタムシ類を展示しています。ツマベニチョウ、オオゴマダラ、

リュウキュウアサギマダラ、コノハチョウ、フタオチョウなどのチョウは、南国沖縄を彷彿とさせます。
  
 

 4-5 ダンゴムシとカタツムリ
 琉球列島のダンゴムシやワラジムシはすでに60種類も知られています。これは島ごとに種類が別々に進化した

ことに関係するのでしょう。まだまだ未発見の種類も多くいるようです。また、カタツムリの標本15種を展示。

  4-6 マングローブ
 1日に2回、潮の満ち引きで根元が海水につかってしまうような場所で生きている植物であるマングローブの生態

について、標本やビデオ、写真などを使って説明しています。
    
 

  4-7 ヘゴ −シダ王国の巨人−
  琉球列島は、温帯に比べてシダ植物の密度が高いのが特徴です。この中でひときわ大きく育ち、木として生長

するシダ、ヘゴ(ヒカゲヘゴ)の実物標本を写真やその他の大型シダ植物標本とともに展示しています。
  

  4-8 サキシマスオウノキ
  泥の上で巨体を支えるために著しく発達した板根(ばんこん)を持つサキシマスオウノキを写真で紹介しています。

  4-9 渓流でいきる
  強い雨が降ると川は一時的に増水して、峡谷の岸壁は激流に洗われます。そのような場所で生きる数少ない

渓流植物を標本と写真で紹介しています。
  また、川の中にすむエビ・カニ類の多様さについても多くの標本で紹介しています。

  

 

  4-10 亜熱帯ならではの栽培植物
  サトウキビやパイナップル、ハイビスカスなど、暖かい気候を利用して作られる栽培植物とその利用について、

紹介しています。
  

  4-11 海をわたる植物たち
  海流に乗って遠くの島から流れてくる植物の実や種を集めて展示し、植物が島に分布を広げていく仕組みに

ついて紹介しています。
    

  4-12 ミニ琉球植物園
  マングローブの植物と栽培植物の代表種の実物を展示しています。
  

5 琉球列島の危険な生き物
  5-1 海で(出会う危険な生き物)
  暖かい海には、ハブクラゲやヒョウモンダコ、ウミヘビ、毒ガニなど、たいへん危険な生物が多くすんでいることを、

標本と写真・パネル・ビデオで紹介し、あわせて生物の多様性を伝えます。

  

  5-2 陸で(出会う危険な生き物)
  琉球列島の毒ヘビで有名なハブ、サキシマハブ、ヒメハブの生態やかまれたときの対処法などについて、

標本や写真・パネルで紹介しています。
  また、沖縄に導入されて自然の生態に脅威を与えている、マングースや、ウリ類の寄生虫であるハエ類

についても説明しています。

   

   
6 お楽しみコーナー
  うちなーぐち(沖縄方言)当てパズル
  ゆびハブであそぼう
  キジムナーになろう

お世話になった方々(五十音順・敬称略):
施設
 沖縄観光コンベンションビューロー  沖縄県衛生環境研究所     沖縄県美ら海水族館
 沖縄県農業試験場           沖縄県ミバエ対策事業所    沖縄県立博物館
 環境省西表野生生物センター    環境省自然環境局立山自然保護官事務所
 群馬県立自然史博物館        東京農大「食と農の博物館」  東京農大国際食料情報学部

 名護博物館               日本マングローブ学会       氷見市海浜植物園

 琉球大学理学部            琉球大学教育学部         ワイルドアイズ          ほか

個人 
 荒木克昌  岩永節子  池田広志  大田克洋  大田希生  大森威宏
 木下直樹  木村敏之  相楽直美  澤田昭芳  座覇 泰
 諸喜田茂充 関慎太郎  関谷秀勝  嵩原建二  高山茂樹
 竹内 基   立石庸一  田中 聡   中村武久  成瀬 貫
 根岸桂子  原口光雄  藤田喜久  皆川礼子  横田昌嗣     ほか

その他
 富山市科学文化センターボランティアのみなさん
 富山市科学文化センター講座・富山の植物調査隊のみなさん


富山市科学文化センター
公開  2005-07-21
最終更新  2005-07-22
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