今月の話題(化学) 草木で染める |
1.染色の今、昔 |
草木染めのために栽培された植物で有名なものには赤色を染めるベニバナやアカネ、青色のアイなどがあります。黄色ではカリヤスやキハダがあります。これらの各色を順に重ねて染めることで様々な色に染めることもできます。
ところで、化学の進歩によって草木染めの色素を人工的に作ることもできるようになりました。例えば、アカネの中に入っているアリザリンという染料は1868年に、アイの中にあるインジコという染料は1880年にそれぞれ化学的に作られ、現在では、アカネやアイにとってかわって使われています。アリザリンやインジゴを使った化学染めでは色に不純物がないため、はっきりとした色に染め上がりますが、アカネやアイを使った草木染めでは様々な成分によって深みのある色に染まるようです。
2.身近な草木や材料で染める |
3.用意するもの |
4.染め方(ハンカチ程度の大きさの布を染める場合) |
1.染料の作り方 | |
1) | 4リットル程度の水が入るホーローの鍋に染料をとる材料(草を使う場合は染めたい布の2倍程度の重さ、紅茶など台所の材料を使う場合は染めたい布の半分程度の重さ)を入れ、水を3リットル程度入れて20分程度煮出します。なお、草の場合は刈り取ってから日がたつと染まりにくくなる物が多いようです。 |
2) | ポリバケツの上にザルを置き、煮出した鍋の中身をあけて煮汁と草とを分け、煮汁だけを再び鍋にもどします。 |
2.布を染める | |
1) | 染めたい布を水で十分に濡らしてから、鍋の染め液の中に入れ、20分ほど煮ます(布にもようをつけたいときは、絞り染めにします)。布の一部が水面から浮き上がらないように棒でときどき押さえてやると染めムラがおきにくくなります。 |
2) | 火を止めて布を棒で取り出し、軽く染め液を切って媒染剤液(色止め液)の中に浸します。布の中に泡がたまらないようにしてそのまま30分程度浸してから、良く水洗いして乾かします。 |
出来上がりの色が薄い場合は1),2)の操作を繰りかえします。 |
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