今月の話題         No.207  


 富山のカタツムリは

      右巻きそれとも左巻き

富山のカタツムリ


梅雨になるとカタツムリがたくさん出てきます。暖かくて湿った梅雨はカタツムリにとってごきげんな季節です。

 ところで、カタツムリには右巻きの種類と左巻きの種類があることをご存知ですか。また、皆さんの家のまわりに見られるカタツムリはどちらの巻き方ですか。上からみて時計と同じ方向が右巻き、逆が左巻きです。

(右巻き) 左巻き)

 富山市内のカタツムリはほどんどが右巻きで、その種類はたくさんありますが、最も多いのはノトマイマイです。富山県と石川県の平野部だけにみられる種類です。

 富山のカタツムリで左巻きの種類は、ヒダリマキマイマイという種類だけで、東日本に多く見られ、富山県では黒部川や神通川流域などによく見られます。

ノトマイマイ ヒダリマキマイマイ

日本で最大のカタツムリ 


富山県の山地には茶色で炎のような模様が美しい、右巻きのクロイワマイマイが見られます。日本海側だけにすむ、直径が6センチに達する日本最大のカタツムリです。日本海側の山地は雪が多く湿り気が高いため、このような大型の種類がすめるのかもしれません。

クロイワマイマイ クロイワマイマイの仲間の分布

そのほかの主なカタツムリ 


右巻きの種類は他にもありますが、殻の薄いウスカワマイマイが家のまわりや畑に多く見られます。また、山ぞいの場所では殻の高さが高いニッポンマイマイや殻が低くその周辺に多くの毛を持つオオケマイマイなどがときどき見られます。

ウスカワマイマイ   ニッポンマイマイ   オオケマイマイ

                    布村 昇
1995.06.01


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