今月の話題(無セキツイ動物)
波うちぎわの痛い虫

No.232
波打ちぎわにかみつき魔出現
 夏休み、海水浴に出かける方も多いと思います。砂浜の生き物を観察するチャンスです。泳いだ後、波打ち際で休んでいると、何かが、あなたの足の上をはいまわったり、時にはかみついたりするかもしれません。あわてて、飛び起きても、その犯人を見つけることは難しいでしょう。そのはずです。犯人は、波とともに出てきて、素早く砂の間に逃げてしまったのです。

 では、そのすばやい犯人をつかまえるにはどうしたら良いでしょう。波打ちぎわに30cmくらいの穴を掘り、海水が流れ込むようにします。波が押し寄せ、穴に海水が入ると、一時的に水たまりが出来ます。そこに大きさ1センチに満たない小さなエビのような虫が、泳ぎ出てきます。目の細かい網等ですくってみましょう。波が引く前に砂の中に姿を消します。下の絵のような虫が見つかることがあります。その名はヒメスナホリムシ。ダンゴムシやワラジムシに近い仲間です。外形も似ていますが、足の数も14本で同じです。

すばやく姿を消す秘密
 砂の中にすばやく潜るには何か秘密があるはずです。スナホリムシの足の形を調べてみましょう。足は太く、すばやく砂を掘ることが出来ます。また、皮膚をかむのは、口のまわりに強い大顎(おおあご)を持っているためです。

そのほかの仲間
 場所によってはヒメスナホリムシがいないで、他の小さなエビ形の虫が見つかります。アミやナミノリソコエビなどが多いのですが、これは砂の粗さ波の強さなどによるのでしょう。これらの虫は皆、波打ち際にすんで、波で運ばれてくるゴミや動物の死体を食べてくれます。波うちぎわは酸素の多い環境なので、たまった海水で長い間、飼育するのは難しいことです。

1997.07.01

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