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今月の話題:No.3
池や沼へ出かけると大きなカエルを見ることがあります。人が近づくと石を落とした時のように大きな音をたて池の中へ飛び込み、近づいた人をびっくりさせます。
このカエルはウシガエルまたは食用蛙とよばれ、おおきなもので1kgにもなります。もともと日本に住んでいたカエルではなく、食用として養殖するためにアメリカ合衆国から大正7年に輸入されたものです。その後、日本各地で養殖されていましたが、第二次世界大戦後は下火になりました。このときに逃げ出したものが日本の各地に住みつくようになったのです。また、ウシガエルのエサとして輸入されたアメリカザリガニも北海道を除く日本各地に広がりました。日本には水田や小川多くアメリカザリガニにとって住みやすかったのでしょう。
ウシガエルのオタマジャクシは、他のカエルのオタマジャクシに比べてたいへん大きく、10cmぐらいのなるものもあります。寒い地方ではおおくはオタマジャクシのままで冬を越し、ほかのカエルと同じように後ろ足、前足の順で足ができあがり尾が吸収され、カエルの形に近づいていきます。このような現象を変態といいます。カエルによっては変態が終わると陸に上がっていくのもいますが、ウシガエルはそのまま水辺に住みつき成長し、親がえるになります。それで、池や沼でウシガエルとよく出会うことがあるのです。■
発行:昭和53年6月