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今月の話題:No.11
冬の生活にストーブは欠かせませんが、このごろ赤外線ストーブという名の電気ストーブをよく耳にします。このストーブは暖かくなるように2つの工夫がなされています。1つはニクロム線を包んでいる白い管(石英管)です。この白い管は暖められると別名「熱線」とも呼ばれる「赤外線」を多量に出し、ニクロム線だけの時よりも多く熱を放出します。もう1つは反射板で、これにより赤外線は反射され、前にいる人間を暖めます。ストーブの後ろにいても暖かく感じないのは、赤外線が効率よく反射されていることを示しています。
では、赤外線とは何なのでしょう。赤外線は太陽の光から発見されました。太陽の光をプリズムに通すと7色の光に分かれます。そこで、プリズムの後ろに温度計をおくと、どの色で最も温度が高いかがわかります。実際に、温度計をおいてみると、赤い光の外側の何も見えない所で温度計が高くなったのです。ここは熱を運ぶ何かがあるということで、「赤外線」と名づけられました。赤外線も光にはちがいないのですが、人間の目には見えないのです。
光り輝かないまでもある程度温度のあるものはすべて赤外線を出しています。熱くなったアイロンも人間も気温と同じ机でさえ赤外線を出しています。そのことを利用して、マムシ・ハブ等は真っ暗やみの中でもネズミ等の体温の高い動物がどこにいるのかを知ることができます。■
発行:昭和54年2月