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今月の話題:No.20

アロザウルス

“恐竜”それは誰をも引きつける名前ですが、図鑑でしか知らない人が多いでしょう。科学文化センターの自然史展示室“地史をにぎわした生き物たち”のコーナーには、この恐竜の一種であるアロザウルスの骨格標本が所せましと展示してあります。

アロザウルスは、中生代のジュラ紀後期(約1億5,000万年前)から白亜紀前期(約1億2,000万年前)にかけて、おもに北アメリカにすんでいました。当館に展示してあるアロザウルスの骨格標本も、アメリカのユタ州から発見された化石から作られた模型です。体の長さは約10メートル、体の高さは約3.5メートルに達し、体重は2トンぐらいであったと考えられています。展示してあるアロザウルスは、歩いている姿勢にしてあるので、やや低くなっています。アロザウルスのするどい歯や爪を見ていると、他の草食恐竜などを食べていた肉食の恐竜だと想像できます。アメリカのワイオミング州で尾の骨に傷あとのあるブロントザウルスという草食恐竜の化石がみつかったことがありますが、この傷あとがいっしょに発見されたアロザウルスの歯の形と一致していたといわれています。このことから、草食恐竜はおそって食べたことがはっきりしました。

恐竜は、ハ虫類の仲間ですが、その骨盤の構造から「竜盤目」と「鳥盤目」という2つのグループに分けられ、アロザウルスは、竜盤目のケモノリュウに入ります。日本では、当時大部分が海であったために、1938年に南樺太でみつかったニッポン竜(鳥盤目)や、1962年に長崎でみつかったハドロザウルス(鳥盤目)など、わずかに知られている程度です。巨大なアロザウルスも、他の恐竜達と同様に、絶滅の運命をたどりますが、その原因はまだナゾにつつまれています。アロザウルスを観察して、遠く中生代の生き物の世界に思いをめぐらしてみるのも楽しいですね。■

文:南部
発行:昭和54年11月


富山市科学文化センター
作成 藤田 2001.9.24.
最終更新 市川 2001.12.27.
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