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今月の話題:No.26

富山のナウマン象は小型?

科学文化センター自然史展示室に、大きなナウマン象の全身骨格の標本が展示してあります。これは、本物の化石ではありませんが、頭の骨は千葉県下総町で、残りの部分の骨は、北海道の忠類村というところで掘り出されたものをもとに、色も形も大きさもそっくりに作った複製です。

ナウマン象の化石は、富山県からも見つかっていいます。最近も一昨年から昨年にかけて、大沢野町から歯の化石などが見つかり、新聞等で大きく報道されたことは御存知でしょう。

ナウマン象は、今から1万5000年位前まで、北は北海道から南は九州まで日本各地にすんでいました。 当時のナウマン象の生きているようすは、図のような復元図に描かれています。「野尻湖のナウマン象」金子三蔵(日本の自然(平凡社)より)

最近、大沢野町で見つかった歯の化石(図)を 他の地域で見つかったものと比較してみました。

すると、今まで発見された多くのものより、ひとまわり小さいことがわかりました。歯のすり減り方から考えて、ちゃんとした「おとな」の象なのですが。

ナウマン象のなかまは、以前にも平村から発見されています。これは。トクナガ象と呼ばれましたが、この歯も同じようにひとまわり小さいのです。これらの原因については、よくわかりませんが、富山あたりには比較的小型のナウマン象がずんでいたのかもしれません。大沢野町で発見された化石は、発見者などの方々の御好意で、大部分が富山市科学文化センターに収蔵されることになりました。そしてその一部は、自然史展示室に展示される予定です。また見に来て下さい。■

文:赤羽
発行:昭和55年5月


富山市科学文化センター
作成 樽政 2001.9.24.
最終更新 市川 2001.12.27.
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