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今月の話題:No.29

クラゲ

夏になると海水浴に出かける方も多いと思います。でも海はクラゲが出るからいやだと思われる方も多いでしょう。たしかにクラゲに刺されると痛く、かゆみが残って不ゆ快ですね。今月は海水浴のきらわれ者−クラゲ−についてお話ししましょう。

まず、クラゲの体のつくりを調べてみましょう。食物はかさの下面にある口から取りこまれ、腔腸(こうちょう)へ送られて消化されます。しかし肛門(こうもん)がないので残りかすは口からはき出されます。クラゲの属している腔腸動物には他にヒドラのなかまやサンゴ・イソギチャクのなかまがありますがみなこのような体のつくりをしています。

クラゲのかさのへりには触手(しょくしゅ)と呼ばれる糸のようなものがありますが、これに刺胞(しほう)と呼ばれる毒を発射する部分があります。この中には毒の糸が巻きこまれていて、エサが来たり、敵が来たりすると、この糸をパッと発射して相手の体に毒を注射するのです。クラゲは肉食性で、ケンミジンコなどの小さな甲かく類や小魚などを食べています。

夏の終わりから秋のはじめにかけて富山湾の海岸に多く現れる四角いかさと長い触手をもつ種類はアンドンクラゲで、毒はかなり強く、刺されると赤くはれ、かゆみもかなり残ります。アンドンクラゲとともに多いおわん形のミズクラゲはさわっても痛くはありません。なお、海水浴などで、クラゲに刺されたら、消毒用のアルコール(70%エチルアルコール)を塗りましょう。

ところで、泳いでるときチクチクと皮ふを刺すのでクラゲとまちがわれるものにヤドカリやカニの子供があります、ヤドカリやカニの子供はプランクトンとしてたくさん海にいますが、長い角と尾を持っていて水着や皮ふにささるのです。■

文:布村N
発行:昭和55年8月


富山市科学文化センター
作成 樽政 2001.9.24.
最終更新 市川 2001.12.27.
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