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今月の話題:No.30

太陽熱で冷房する

「太陽熱で冷房する」とは変な話ですが、この冷房装置が理工展示室の「エネルギーを考える」コーナーで夏の間、実際に働いています。今回はじび冷房装置について簡単にお話ししましょう。

冷房するためには冷たい水を作る必要があります。まずこの冷水を作る原理を身近な例で説明しましょう。

海水浴で海から上がったあと、風にふかれると寒くなって体がふるえた経験があると思います。これは体についた水が蒸発するとき体から熱をうばっていくためです。同じように、水の入った容器から水をむりやり蒸発させると、残った水の温度はどんどん下がります。「エネルギーを考える」コーナーの冷水発生機はこのような原理を利用して冷水を作っています。

冷水発生機は蒸発器・吸収器・再生器・凝縮器の4つに分かれています。各部分の働きは次のとおりです。

  1. 蒸発器: 中の水を蒸発させ冷水を作る。冷房に使う水はこの中にパイプを入れそれに水を通し、その水を冷やして作る。
  2. 吸収器: 臭化リチウムという薬品が水にたくさん溶かされている。この液は水蒸気を大変よく吸いとる性質があり、蒸発器から水をたえず蒸発させる働きをする。
  3. 再生器: 水蒸気をたくさん吸いとると、臭化リチウム液の水蒸気を吸いとる力が弱まるのでここに運び、太陽熱で作られた80〜90℃の湯の熱を利用して液を煮つめ、吸収器にもどす。
  4. 凝縮器: 臭化リチウム液を煮つめたときに出た水蒸気を冷やして水にかえ、蒸発器へもどして再び冷水を作るために使う。

冷水発生機の中の水は、蒸発器・吸収器・再生器・凝縮器の中をぐるぐる回って冷房用の冷水を作ります。このとき、湯の他に、水蒸気や煮つまった臭化リチウム液を冷やすための冷却水を使います。

ところで、太陽熱で作られた湯は、蓄熱槽にためられ、これを再生器で利用していますが、曇った日や夜間では必要な温度の湯を作ることができません。このときは、電気や石油など他のエネルギーを使って湯を作り、冷房を続けます。■

文:朴木
発行:昭和55年9月


富山市科学文化センター
作成 樽政 2001.9.24.
最終更新 市川 2001.12.27.
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