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今月の話題:No.33

マイマイカブリ

”オサホリ”という言葉を御存じですか。冬、山道の切り通しになっている所などのちょっとしたガケの土を掘りかえすと、土の中で冬越しをしている昆虫を見つけることができます。このときオサムシの仲間がよく出てきます。オサムシの仲間を見つけるためにガケなどを掘ることを称して”オサ掘り”と言います。

掘っていると出てくるものの中にマイマイカブリがいます。マイマイカブリは体調40mmくらい、体は黒色で紡錘形をしたスマートなオサムシの仲間で、ひげや足が長く、アゴが大きく、そして前ばねは左右がくっついてしまっていて、後ろばねは無くなってしまっています。それでマイマイカブリは飛ぶことができず、地上を走りまわってエサをさがします。マイマイカブリは他の昆虫やミミズ、カタツムリなどを大きなアゴでつかまえて食べてしまいます。

 

カタツムリを食べるときには、細長い首をカタツムリのカラの中につっこんで中の柔らかい体を食べてしまいます。この様子がマイマイ(カタツムリのこと)を頭にかぶっている様なので、マイマイカブリと名がついたと言われています。

マイマイカブリは日本じゅう(沖縄はのぞく)に分布していますが、地方によって体の大きさや、形、色がたいへんちがい、体の大きさは30mmから60mmくらいまで、前むねの色は赤銅色や青色の光沢を持つものから黒色で光沢の無いものまで、また前ばねの後ろはしの突起も無いものから長くつき出ているものまであります。一般に北の方へ行くほど体は小さく、前むねの光沢は強く、はねのはしの突起は小さくなります。

     

マイマイカブリは上の図に示した他にも各地方によって多くのグループに分けられています。富山県のものについては、現在、富山県昆虫研究会の方々によって研究されている最中です。■

文:根来
発行:昭和55年12月


富山市科学文化センター
作成 竹中 2001.12.27.
最終更新 市川 2001.12.27.
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