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今月の話題:No.42
1865年 フランスのSF作家ジュール・ベルヌは「地球から月へ」という空想科学小説を書きました。内容は、3人の人間の月旅行描いたものですが、当時の科学知識をふんだんにもり込んだもので、今日でも読みごたえのあるくらい、科学的レベルの高いものでした。それから104年後の1969年アポロ11号はついに人類を月に送り込んだのでした。
ところで、このアポロ計画とジュール・ベルヌの小説を比べてみると、ふしぎなことにいろんな点で良く似ているところがあります。例えば、
これらの外に、宇宙船の減速の方法に逆推進ロケットを利用していること。それからベルヌは宇宙飛行中の無重力状態や、大気圏突入した際に、宇宙船の加熱により、通信がとだえることもちゃんと小説の中に記しています。
現代の宇宙飛行の源となった、ロシアのツィオルコフスキー、アメリカのゴダード、ドイツのオーベルト。それから彼の愛弟子で、アポロ計画を推進したブラウン。彼等は少年時代にヴェルヌの小説によって宇宙への夢をかきたてられたということです。プラネタリウムでは、このように100年前の夢と、100年後の現実の様子を、映像と音で対比させたり、またアポロ以後の惑星探査の成果を紹介しながら、人類が宇宙に旅立つまでをストーリーとしました。■
発行:昭和56年9月