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今月の話題:No.48

銀河
プラネタリウムの話題(1982年3/16〜6/20)

 春の夜空を飾る星座に、「おとめ座」があります。この星座は、太陽の通り道(黄道)にある星座なので星占いの星座として有名ですね。この「おとめ座」の一角を大きな望遠鏡で写真にとりますと、たくさんの銀河が写ります。これは「おとめ座銀河団」と呼ばれる銀河の大集団です。銀河というのは、太陽のような恒星が1億〜1兆個も集まった星の大集団です。私たちのいる銀河は特別に「銀河系」と呼ばれ、約1,000億個の恒星からできており、渦巻きのような姿をしています。

 銀河は大きく3種類に分けることができます。すなわち「銀河系」のような渦巻銀河、星がだ円状に集まっただ円銀河、そして不規則な形をした不規則銀河です。「おとめ座銀河団」はだ円銀河が多いようです。その中でM87と呼ばれるだ円銀河は、大きさが銀河系の約10倍もある巨大な銀河です。しかも中心から外に向かって、物質が放出されているような姿が見られます。これはM87の中心に星が集中しているので、そこで何かが起こっているからだと考えられています。仮説ですが、M87の中心では爆発が起こっているのではないだろうか?とか、M87がこんなに大きくなったのは、まわりの銀河を吸収してしまった(共喰い)ためではなかろうかという考えが出されています。

 「おとめ座銀河団」は「銀河系」に一番近い銀河団で、約2500個の銀河が集まっています。宇宙は銀河団に属する銀河、属さない銀河がたくさん集まってつくられています。

文:渡辺
発行:昭和57年3月1日


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