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今月の話題:No.295
夏がおわりに近づくと、マツタケが売られはじめます。
それらのマツタケは、どのような所に生えているのでしょう。
マツタケ
マツタケは、アカマツのまわりに生えます。アカマツのほかに、カラマツやツガなどマツのなかまの木のまわりにも生えます。
アカマツ
土の中では、マツタケの根もとから白く細い糸のような菌糸がのびています。菌糸は、アカマツの細くて若い根について、栄養をもらいます。マツタケの菌糸がついたアカマツの根(菌根)は、多くの根を出し、成長がよくなります。マツタケとアカマツは、いっしょに生きています。
菌糸と菌根のイメージ図
マツタケは、落ち葉の少ない、やせた土地のアカマツ林に生えます。落ち葉がつもっていたり、土がこえていたり、草が多いと生きられません。まるで落ち葉をほうきではいたような所に生える、きれい好きなキノコです。きれい好きなわけは、落ち葉や草が多いとほかのキノコやカビなどが増え、その競争に負けてしまうからです。
今から50年ほど前までは、マツタケは日本でたくさんとれました。そのころ、煮炊きするのには、まきや炭を使っていました。アカマツの落ち葉やかれ枝も集めて、もやしていました。ところが今では、ガスや電気で煮炊きをするので、アカマツの落ち葉やかれ枝は、林につもったままになります。きれい好きなマツタケが生きられるアカマツ林は、落ち葉がつもりにくい所、山の尾根などにかぎられるようになりました。
発行:平成14年10月1日