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今月の話題:No.298
冬は雪のふるきせつ。このごろあまりつもらないけれど、今から40年ほど前の1963年には富山の町で雪の深さが186センチになったこともありました。さて、この雪いったいどこからやってくるのでしょう?
ところで、みなさんの中には「冬は寒くていやだ」という人はいませんか?
子どもは風の子といったって、寒いものは寒いですね。でも、世の中にはもっと寒いところがあります。「北海道」、うん、たしかに富山よりは寒い。でも、もっともっと寒い所があります。それはシベリア。冬の間、一日中太陽がのぼらないシベリアの大地はどんどんひえていきます。
いったいどれくらい寒いと思いますか?今まで一番寒かった時でマイナス80度、といってもピンときませんね。たとえばマイナス15度より下がるとダイヤモンドダストを見ることができます。マイナス50度にもなると、ハーッとはいた息がこおってカサカサと音をたてるそうです。これは「星のささやき」といわれています。
このシベリアをふくめた北の大地で生まれたつめたい空気は北風に流されると、やがて日本海にやってきます。
ところで、日本海の海水の温度はどれくらいあると思いますか?
冬だからつめたいだろうな、マイナス5度?そんなにつめたいとこおってしまいます。
だいたい10度くらいあるのです。もちろん泳ぐことはできないけれど、意外とあたたかいのです。
みなさんがおふろに入ると、湯気が立っていませんか? おふろのお湯がじょう発し、それが、おふろよりつめたいまわりの空気にひやされて、湯気ができるのです。
これと同じことが冬の日本海でも起こっています。
海水の温度が10度でも、その上の空気は、ず〜っとつめたいので、海水がじょう発し雲をつくるのです。
雲は海をわたり日本列島にやってきます。平野をすぎ、やがて高い山に近づくと下から上にむかう空気の流れが生まれ、雲はせい長して大きくなります。
大きな雲の中では、小さな氷がせい長して雪のけっしょうになります。富山のようなあたたかい所では、雪のけっしょうがいくつもくっついたボタン雪としてふってきます。
北からやってきたつめたい空気が日本海であたためられ雲になり、雲は高い山によって大きくせい長して雪をふらせるのです。
発行:平成15年1月