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木星


 木星は、太陽系最大の惑星で、直径が地球の約11倍、質量が約318倍もあります。木星が大きい星だと直感した古代ローマの人たちは、木星を「ジュピター」と名づけました。ジュピターというのは、古代ローマの神々の王様の名前です。木星の悠然とした輝きは、本当に王者の貫録を感じさせます。
 木星の組成は太陽と似ていて、水素やヘリウムなどの軽い気体でできたガス惑星です。

木星


 木星にはたくさんの衛星(月)があります。2017年1月現在、69個もの衛星が見つかっています。
 木星の衛星のうち4つは特に明るく、小さな望遠鏡でも見ることができます。内側から、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストという名前がついています。これらの4つの衛星は、かのガリレオ・ガリレイが発見したことから、ガリレオ衛星と呼ばれています。
 これまでの研究の結果、イオには火山があることが分かっています。エウロパは、厚い氷に覆われた星で、氷の下には海があると考えられており、もしかしたら生物がいるかもしれません。ガニメデは、太陽系の衛星の中で一番大きな衛星です。
 1576年、デンマークのレーマーは、イオが木星の影に入ってから再び影に入るまでの時間が1年を周期として変化していることに気がつきました。すなわち、イオの公転周期は、地球が木星に近づきつつあるときには短くなり、遠ざかりつつあるときは長くなりました。そのことから彼は、光が無限の速さで伝わるのではなく、有限の速度を持っているためにこの現象が起こるのだと解釈しました。そうしてレーマーは、光の速度を初めて測定しました。


 木星を望遠鏡で見ると、赤道と平行に幾つもの縞模様が見えます。明るい黄色の縞を「ゾーン」、暗い赤褐色の縞を「ベルト」と呼びます。木星には風が吹いており、ゾーンは、大気の上昇流でアンモニアの雲ができるため、それが太陽光を反射して明るく見え、ベルトは、下降流で雲が薄くなっているため、反射が弱くなり、暗く見えます。
 ベルトやゾーンの中には、小さな斑点が沢山見られます。これは、東風と西風の流れがすれちがうところを大小さまざまな渦模様が移動するために見られます。最大の斑点は、南半球にある"大赤斑”と呼ばれるもので、これは地球の直径の2倍もの大きさがあります。




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作成 1997
最終更新日 2017-07-13
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