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土星


土星

 土星は、太陽系の中では木星の次に大きな惑星で、きれいな環を持つことが特徴です。土星本体の直径は地球の約9.5倍、質量は約100倍です。木星と同じようにガスでできた星で、密度が非常に小さく、もし太陽系全体が入るくらい大きなプールがあったとすると、土星だけ水に浮いてしまうとされます。

 望遠鏡がなかった時代、土星は太陽系の「さいはての星」でした。ギリシャ神話の時の神「クロノス」の星、ローマ神話の農業の神「サトゥルヌス」の星とされました。
 土星の環を初めて観測したのはガリレオ・ガリレイですが、その時は環であることが確認できず、耳がある星ととらえられました。その「耳」が環であることを初めて発見したのがホイヘンスです。その後 カッシーニが環の中間にすきまがあることを発見しました。このすきまが「カッシーニの空隙(くうげき)」です。

 土星には、2005年6月現在、50個もの衛星が見つかっています。これは木星に次ぐ多さです。土星にはタイタンと呼ばれる大きな衛星があります。タイタンは木星の衛星であるガニメデに次いで大きな衛星で、水星や冥王星より大きい星です。タイタンは厚い大気に覆われており、この大気の分まで含めると、ガニメデより大きくなります。太陽系の衛星の中で大気があるのはタイタンだけです。

 1979年、宇宙探査機「パイオニア11号」が初めて土星に到達しました。その後、「ボイジャー」により、土星の表面の様子や環の構造が明らかになってきました。
 また、1997年に打ち上げられた探査機「カッシーニ」が2004年7月、土星の周りを回る軌道に入りました。そして2005年1月、カッシーニから切り離された探査機「ホイヘンス」が土星の衛星タイタンに突入、着陸に成功しました。ホイヘンスの観測により、タイタンにメタンの海や川、水の氷が吹き出す火山があることなどが明らかになりました。
 さらに、2006年3月、カッシーニの観測により、土星の衛星の一つエンケラドスの表面の氷の下に液体の水が存在する可能性が高いことが明らかになりました。水は生命の存在に重要な要素となるため、エンケラドスは地球外生命を探す候補地として注目され始めています。
 カッシーニは、現在も土星の表面や環に関する新しい情報を次々と地球に送り続けています。今後、土星のより詳しい姿が明らかになることが期待されます。



富山市科学博物館富山市天文台
作成 1997
最終更新日 2007-07-12
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