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ミール(2001年3月12日)



 もうすぐ大気圏に突入させられ役目を終える予定のミール、これを3月12日の夕方、富山市天文台の1m望遠鏡でビデオに収めることができました。(ミールについては、こちらのページを参考にして下さい。)

   ミールはこのとき、地上約250kmの高さを飛んでいました。そしてこの日、たまたま富山の上空を通過したのです。ミールは北西の方角から昇り、ほぼ真上を通って、南東の空に沈んでいきました。ビデオでは北西の空から真上に来るまで撮影しています。夕闇せまるうす暗い空に、木星ほどの明るさを放ちながら飛行機のように空を横切っていきました。

 ミール自身はライトで光っているわけではなく、太陽の光を反射することで輝いています。そのため光の当たりかたが変わるとミールの見え方が変わります。また見る方向が動くにしたがって変わっていきますから、いろいろな角度や姿のミールをとらえることができました。

 なお、地面から昇ってきたてのころは、遠いところにある上に地面あたりの空気のゆらぎ(かげろう)のためあまりはっきりとは見えず小さく見えます。昇ってくるに従って、大きくはっきりと見えてきます。






 これは昇ってきたてころ(一番上の図で1番の辺り)です。何がなんだか分かりませんね。少し形を持っているようにも見えますが。



 これは少し昇ったところ(一番上の図で2番の辺り)です。ミールらしい形が分かるようになってきました。下のほうに十字の形に4つのモジュールを持っている様子が分かります。



 これはかなり昇ったところ(一番上の図で3番の辺り)です。ミールの4つのモジュールをななめ下側から見ているような状態です。アメリカのスペースシャトルと結合するための「ドッキングモジュール」が「クリスタル」にくっついている様子が分かります。今回の落下で最大700kgのものが落ちてくるといわれていますが、それはこの「ドッキングモジュール」にある部品です。

 また一番上には無人貨物船のプログレスMがあります。今回ミールの軌道離脱計画のために、普段の2倍近い燃料がこれに積み込まれ、ドッキングされています。大気圏突入には、このプログレスMが進行方向と逆方向に向けられ、逆噴射がかけられます。



 これはほぼ真上に来たとき(一番上の図で4番の辺り)です。ミールはこのとき、基幹モジュールとクワントを結ぶ部分を地面に垂直にした状態で飛んでいったようです。太陽の光がミールの半分しか照らしていないため、十字の4つのモジュールのうち、一つが見えておらず、右の図の緑色の四角の中の部分が見えています。クワント2の太陽電池パネルが大きく見えています。




 残念ながら、当天文台ではドームの動きがミールに追いつかず、ここで撮影はとぎれてしまいました。このあとも撮影できていたら、おそらくもっといろいろなミールの姿を楽しむことができたでしょう。


動画



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