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No.527 アマルチウス・オリエンタリス —朝日町で発見された新種アンモナイト—

とやまサイエンストピックス No.527 (2022年2月)
発行日:2022/2/1
アマルチウス・オリエンタリス(Amaltheus orientalis)は、富山県朝日町の中生代ジュラ紀前期(約1億8500万年前)の地層から発見された新種のアンモナイトの化石(写真)です。2021年5月に福井県立恐竜博物館の研究員を代表とする研究チームにより論文に発表されました。「オリエンタリス」はラテン語で「東洋の」という意味があります。
アマルチウス・オリエンタリス
アマルチウス・オリエンタリス
アマルチウス属のアンモナイトは中生代ジュラ紀前期に北半球の比較的高緯度(北極に近い地域)の海に生息していました。アマルチウス・オリエンタリスが発見された地層からは、ロシアで発見されている他のアマルチウス属のアンモナイトも発見されていることから、ロシア地域のアンモナイトと関わりが深いことが明らかになりました。
今回発表されたアマルチウス・オリエンタリスは、ロシアで発見されたアマルチウス属のアンモナイトと特徴が似ていましたが、それらに比べて殻の巻きが緩く、殻の表面にある線状の凸型模様(肋)がはっきりしていて間隔が不規則なことなどから新種として認定されました。
写真の標本は学名を付ける(新種を命名する)ために基準となる「模式標本」で、当館の収蔵庫に大切に保管されています。

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