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No.544 光学式投映機 100歳の誕生日

とやまサイエンストピックス No.544 (2023年10月)
発行日:2023/10/1
図1 当館
図1 当館の光学式投映機
2023年3月、当館のプラネタリウムが新しくなりました(図1)。皆さんは、もうご覧になりましたか? プラネタリウムは、ドーム状の天井に星空を映し出す機械のことで、中でも小さな穴が開いた板(恒星原板)の後ろから光を当て、穴を通って出た光をレンズを使ってドームに映すものを「光学式投映機」と呼んでいます。誕生してから2023年10月21日でちょうど100年となります。

誕生のきっかけ

図2
図2 世界初の光学式投映機
「ツァイス1型」
画像提供:ZEISS Archive
CC BY-NC-SA
1903 年、ドイツの科学者ミラーさんは、当時の科学技術を紹介する「ドイツ博物館」を作ることを計画します。天文学にもスポットを当て、星や惑星の動きを再現する展示を作ろうと考え、顕微鏡や望遠鏡などの機器を作るカールツァイス社に制作を依頼しました。カールツァイス社の技師たちは、様々な課題を解決して世界初の光学式投映機「ツァイス1型」(図2)を作り上げ、1923年10月21日、博物館の関係者に初めて披露されました。
その後、博物館は1925年5月7日に開館してプラネタリウムも一般公開され、誰でも見ることができるようになり、星空を手軽に楽しめる展示として人気となったそうです。

日本だけでも300近い施設がある!

誕生から100年が経ち、世界へと広がったプラネタリウム。時代とともに機械も進化し、今ではデジタル技術も活用されて、ダイナミックな宇宙旅行や様々な映像コンテンツも映し出せるようになりました。プラネタリウムをもつ施設は日本だけでもおよそ300あり、個性的な取り組みを行う施設もあります。この機会に各地のプラネタリウムを楽しんでみてください。また当館では、プラネタリウムの歴史などを紹介する企画展「近代プラネタリウム誕生100周年-The Planetarium Story-」(期間:11/1~12/13)も開催します。併せてお楽しみください。

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