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17P/ ホームズ彗星



 ホームズ彗星(17P/Holmes)は、1892年11月6日にイギリスのエドウィン・ホームズ氏によって発見された、公転周期が約7年の周期彗星です。
 2007年10月23日には、望遠鏡を使っても見えない約17等の明るさで観測されていました。25日は満月で空全体が明るく、星があまり見えない状態でしたが、それでも肉眼で見える2等星の明るさで輝いていました。これは100万倍も明るくなったことになります。彗星がこれほど急激に明るくなるのは、非常に珍しいことです。ただし、彗星の象徴である尾は見られず、10月25日には肉眼では恒星のように見えました。望遠鏡で拡大すると、丸い姿に見え、中心には明るく輝く核、そのまわりには彗星から噴出されたダストが丸く見え、外に行くにつれてうすくなっている様子がわかります。ダストは黄色く輝いています。
 今後、彗星は徐々に暗くなっていきますが、どのように暗くなるかは予想ができません。富山市天文台では水曜日から土曜日の午後7時30分から9時30分に観測会を開いていますので、ぜひホームズ彗星を見に来てください。

ホームズ彗星

 撮影DATA
  2007年10月25日 20時16分 2.4秒露出
  50mm F2
  トリミング
  Finepix S5Pro ISO3200
  撮影地 富山市天文台

22時の星空

 10月下旬の22時の星空

彗星さがし方

 ホームズ彗星のさがし方



 3日後の10月28日でも、肉眼で十分見えるほどの明るさを保っていました。1m望遠鏡で見ると、25日より視直径で3.5倍もの大きさになっていました。
ホームズ彗星10月25日  撮影DATA
  2007年10月25日 22時41分
  1m反射望遠鏡 8000mm
  Nikon D70 ISO1600
  撮影地 富山市天文台
ホームズ彗星10月28日  撮影DATA
  2007年10月28日 18時36分
  1m反射望遠鏡 8000mm
  Nikon D70 ISO1600
  撮影地 富山市天文台


 さらに3日後の10月31日でも、肉眼で十分見ることができました。1m望遠鏡で見ると、28日よりさらに視直径で約2倍大きくなりました。色も青みがかって見えます。
ホームズ彗星10月31日  撮影DATA
  2007年10月31日 21時40分と21時47分
  2枚合成
  1m反射望遠鏡 8000mm
  Nikon D70 ISO1600
  撮影地 富山市天文台

ホームズ彗星10月31日
 撮影DATA
  2007年10月31日 22時10分 6秒露出
  58mm F2
  Nikon D70 ISO1600
  撮影地 富山市天文台

 バースト直後の彗星が黄色っぽく見えるのは、彗星から噴出されたダストが太陽の光を反射しているためと思われます。それが31日には青っぽく見えるようになったのは、彗星の氷が溶けて放出されたガス(イオン)によるものと思われます。
 バーストによる彗星からの物質の噴出のスピードは、約2,000km/hと計算されます。これは彗星のダストやガスが一日に約10万kmものスピードで広がっていることになります。


 11月2日には、1m望遠鏡の画角では入りきらないくらい大きくなってしまいました。20cm望遠鏡で撮影し、1m望遠鏡で撮影した上の3枚と同じ倍率にして並べると、いかに大きくなったかが分かります。
ホームズ彗星11月2日  撮影DATA
  2007年11月2日 23時24分 15秒露出
  20cm反射望遠鏡 1000mm トリミング
  Canon Eos Kiss degital ISO400
  撮影地 富山市天文台


 見かけの大きさで、満月の約4割ほどの大きさになりました。計算すると、実際の大きさは直径約100万km近くありそうです。
ホームズ彗星11月3日  撮影DATA
  2007年11月3日 22時08分 40秒露出
  20cm反射望遠鏡 1000mm トリミング
  Finepix S5Pro ISO800
  撮影地 富山市天文台


 さらに大きくなりましたが、だんだん薄くなってきました。
ホームズ彗星11月7日  撮影DATA
  2007年11月7日 22時01分 90秒露出
  20cm反射望遠鏡 1000mm トリミング
  Finepix S5Pro ISO800
  撮影地 富山市天文台


 11月7日以降は、天文台の1m望遠鏡では視野からはみ出るくらい大きくなり、淡くなってしまいました。観測会では 12 cm の双眼鏡を使ってご覧いただいています。肉眼でもまだ十分見ることができます。
ホームズ彗星11月3日  撮影DATA
  2007年11月3日 22時08分 40秒露出
  20cm反射望遠鏡 1000mm
  Finepix S5Pro ISO800
  撮影地 富山市天文台
ホームズ彗星11月7日  撮影DATA
  2007年11月7日 22時01分 90秒露出
  20cm反射望遠鏡 1000mm
  Finepix S5Pro ISO800
  撮影地 富山市天文台
ホームズ彗星11月10日  撮影DATA
  2007年11月10日 21時30分 90秒露出
  20cm反射望遠鏡 1000mm
  Finepix S5Pro ISO800
  撮影地 富山市天文台
ホームズ彗星11月16日  彗星の右上に見える明るい星は、ペルセウス座α星。

 撮影DATA
  2007年11月16日 22時56分 121秒露出
  20cm反射望遠鏡 1000mm
  Nikon D70 ISO1600
  撮影地 富山市天文台


 10月25日から突然明るくなったホームズ彗星。約3週間もの間、肉眼で見えるほどの明るさを保っていましたが、そろそろ肉眼で見つけるのが難しくなってきました。それでも双眼鏡を使えば、まだまだ十分見ることができます。
ホームズ彗星11月19日  彗星のすぐそばに見える明るい星は、ペルセウス座α星。

 撮影DATA
  2007年11月19日 22時06分 30秒露出
  タカハシε160 530mm
  Nikon D70 ISO1600
  撮影地 富山市天文台



17P/ホームズ彗星(続報)

 10月25日から突然明るくなったホームズ彗星。約3週間もの間、肉眼で見えるほどの明るさを保っていましたが、そろそろ肉眼で見つけるのが難しくなってきました。それでも双眼鏡を使えば、まだまだ十分見ることができます。

 富山市天文台では、毎週水〜土曜日の午後7時30分〜9時30分に観測会をしていますので、ぜひお早めに、ホームズ彗星を見に来てください。なお、11月7日以降、ホームズ彗星は天文台の1m望遠鏡では視野からはみ出るくらい大きくなり、淡くなってしまったため、観測会では12cmの双眼鏡を使ってご覧いただいています。

ホームズ彗星11月10日 矢印の明るい星はペルセウス座α星

撮影DATA
 2007年11月10日 21時35分 90秒露出
 Nikon D70 f=180mm F4(2.8)
 撮影地 富山市天文台
ホームズ彗星11月16日 撮影DATA
 2007年11月16日 23時09分 30秒露出
 Nikon D70 f=180mm F4(2.8)
 撮影地 富山市天文台
ホームズ彗星11月19日 撮影DATA
 2007年11月19日 22時34分 30秒露出
 Nikon D70 f=180mm F4(2.8)
 撮影地 富山市天文台
ホームズ彗星11月29日 撮影DATA
 2007年11月29日 22時11分 30秒露出
 Nikon D70 f=180mm F4(2.8)
 撮影地 富山市天文台


 ホームズ彗星は、11月20日ごろペルセウス座α星に一番近づいたあと、だんだん離れていっています。見かけ上では満月よりだいぶ大きくなり、かなり淡くなってきました。

ホームズ彗星11月29日  撮影DATA
  2007年11月29日 20時22分 45秒露出
  タカハシε160 530mm
  Nikon D70 ISO1600
  撮影地 富山市天文台


 2007年10月に急増光したホームズ彗星は、2008年2月にはかなり大きくなりましたが、非常に淡くなり、天文台では双眼鏡を使用してもほとんど見えない状態になりました。ただ、写真では撮影することができました。

ホームズ彗星2008年2月1日  撮影DATA
  2008年2月1日
  135mm F4レンズ
  4枚合成
  撮影地 富山市天文台



富山市科学博物館富山市天文台
作成 2007-10-25
最終更新日 2008-04-03
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