2007年の彗星
C/2006 P1 マックノート彗星
マックノート彗星は、2006年8月7日に、オーストラリアのロバート・マックノート氏によって発見されました。日本では観察できる期間が短く、最接近前には見られなくなってしまいましたが、南半球では非常に明るく見られ、「世紀の大彗星」とも言われました。
富山では天候が悪く、1月15日に初めて撮影のチャンスに恵まれました。望遠鏡を使用しているとはいえ、昼間に彗星を撮影できるのは非常に珍しいことです。金星よりも明るいマイナス5等級になりました。
富山では天候が悪く、1月15日に初めて撮影のチャンスに恵まれました。望遠鏡を使用しているとはいえ、昼間に彗星を撮影できるのは非常に珍しいことです。金星よりも明るいマイナス5等級になりました。
この写真では、左下に尾がのびているのが分かります。

2007年1月15日 13時16分 | |
12.8cm屈折望遠鏡 1040mm テレコンバーターで2倍拡大 | |
ニコンD70 | |
撮影地 富山市天文台 |
コンパクトデジカメでもここまで写りました。

17P/Holmes ホームズ彗星
ホームズ彗星(17P/Holmes)は、1892年11月6日にイギリスのエドウィン・ホームズ氏によって発見された、公転周期が約7年の周期彗星です。
2007年10月23日には、望遠鏡を使っても見えない約17等の明るさで観測されていました。25日は満月で空全体が明るく、星があまり見えない状態でしたが、それでも肉眼で見える2等星の明るさで輝いていました。これは100万倍も明るくなったことになります。彗星がこれほど急激に明るくなるのは、非常に珍しいことです。ただし、彗星の象徴である尾は見られず、10月25日には肉眼では恒星のように見えました。望遠鏡で拡大すると、丸い姿に見え、中心には明るく輝く核、そのまわりには彗星から噴出されたダストが丸く見え、外に行くにつれてうすくなっている様子がわかります。ダストは黄色く輝いています。
2007年10月23日には、望遠鏡を使っても見えない約17等の明るさで観測されていました。25日は満月で空全体が明るく、星があまり見えない状態でしたが、それでも肉眼で見える2等星の明るさで輝いていました。これは100万倍も明るくなったことになります。彗星がこれほど急激に明るくなるのは、非常に珍しいことです。ただし、彗星の象徴である尾は見られず、10月25日には肉眼では恒星のように見えました。望遠鏡で拡大すると、丸い姿に見え、中心には明るく輝く核、そのまわりには彗星から噴出されたダストが丸く見え、外に行くにつれてうすくなっている様子がわかります。ダストは黄色く輝いています。

2007年10月25日 20時16分 2.4秒露出 | |
50mm F2 トリミング | |
ニコンD70 ISO1600 | |
撮影地 富山市天文台 |

10月下旬の22時の星空

ホームズ彗星のさがし方
3日後の10月28日でも、肉眼で十分見えるほどの明るさを保っていました。1m望遠鏡で見ると、25日より視直径で3.5倍もの大きさになっていました。

2007年10月25日 22時41分 | |
1m反射望遠鏡 8000mm | |
ニコンD70 ISO1600 | |
撮影地 富山市天文台 |

2007年10月28日 18時36分 | |
1m反射望遠鏡 8000mm | |
ニコンD70 ISO1600 | |
撮影地 富山市天文台 |
さらに3日後の10月31日でも、肉眼で十分見ることができました。1m望遠鏡で見ると、28日よりさらに視直径で約2倍大きくなりました。色も青みがかって見えます。

2007年10月31日 21時40分と21時47分 2枚合成 | |
1m反射望遠鏡 8000mm | |
ニコンD70 ISO1600 | |
撮影地 富山市天文台 |

2007年10月31日 22時10分 6秒露出 | |
58mm F2 | |
ニコンD70 ISO1600 | |
撮影地 富山市天文台 |
バースト直後の彗星が黄色っぽく見えるのは、彗星から噴出されたダストが太陽の光を反射しているためと思われます。それが31日には青っぽく見えるようになったのは、彗星の氷が溶けて放出されたガス(イオン)によるものと思われます。
バーストによる彗星からの物質の噴出のスピードは、約2,000km/hと計算されます。これは彗星のダストやガスが一日に約10万kmものスピードで広がっていることになります。
バーストによる彗星からの物質の噴出のスピードは、約2,000km/hと計算されます。これは彗星のダストやガスが一日に約10万kmものスピードで広がっていることになります。
11月2日には、1m望遠鏡の画角では入りきらないくらい大きくなってしまいました。20cm望遠鏡で撮影し、1m望遠鏡で撮影した上の3枚と同じ倍率にして並べると、いかに大きくなったかが分かります。

2007年11月2日 23時24分 15秒露出 | |
20cm反射望遠鏡 1000mm トリミング | |
Canon Eos Kiss degital ISO400 | |
撮影地 富山市天文台 |
見かけの大きさで、満月の約4割ほどの大きさになりました。計算すると、実際の大きさは直径約100万km近くありそうです。

2007年11月3日 22時08分 40秒露出 | |
20cm反射望遠鏡 1000mm トリミング | |
Finepix S5Pro ISO800 | |
撮影地 富山市天文台 |
さらに大きくなりましたが、だんだん薄くなってきました。

2007年11月7日 22時01分 90秒露出 | |
20cm反射望遠鏡 1000mm トリミング | |
Finepix S5Pro ISO800 | |
撮影地 富山市天文台 |
11月7日以降は、天文台の1m望遠鏡では視野からはみ出るくらい大きくなり、淡くなってしまいました。観測会では 12 cm の双眼鏡を使ってご覧いただきました。肉眼でもまだ十分見ることができました。

2007年11月3日 22時08分 40秒露出 | |
20cm反射望遠鏡 1000mm | |
Finepix S5Pro ISO800 | |
撮影地 富山市天文台 |

2007年11月7日 22時01分 90秒露出 | |
20cm反射望遠鏡 1000mm | |
Finepix S5Pro ISO800 | |
撮影地 富山市天文台 |

2007年11月10日 21時30分 90秒露出 | |
20cm反射望遠鏡 1000mm | |
Finepix S5Pro ISO800 | |
撮影地 富山市天文台 |
彗星の右上に見える明るい星は、ペルセウス座α星。

2007年11月16日 22時56分 121秒露出 | |
20cm反射望遠鏡 1000mm | |
Nikon D70 ISO1600 | |
撮影地 富山市天文台 |
10月25日から突然明るくなったホームズ彗星。約3週間もの間、肉眼で見えるほどの明るさを保っていましたが、そろそろ肉眼で見つけるのが難しくなってきました。それでも双眼鏡を使えば、まだまだ十分見ることができました。
矢印の明るい星はペルセウス座α星
矢印の明るい星はペルセウス座α星

2007年11月10日 21時35分 90秒露出 | |
Nikon D70 f=180mm F4(2.8) | |
撮影地 富山市天文台 |

2007年11月16日 23時09分 30秒露出 | |
Nikon D70 f=180mm F4(2.8) | |
撮影地 富山市天文台 |

2007年11月19日 22時34分 30秒露出 | |
Nikon D70 f=180mm F4(2.8) | |
撮影地 富山市天文台 |

2007年11月29日 22時11分 30秒露出 | |
Nikon D70 f=180mm F4(2.8) | |
撮影地 富山市天文台 |
ホームズ彗星は、11月20日ごろペルセウス座α星に一番近づいたあと、だんだん離れていっています。見かけ上では満月よりだいぶ大きくなり、かなり淡くなってきました。

2007年11月29日 20時22分 45秒露出 | |
タカハシε160 530mm | |
Nikon D70 ISO1600 | |
撮影地 富山市天文台 |
2007年10月に急増光したホームズ彗星は、2008年2月にはかなり大きくなりましたが、非常に淡くなり、天文台では双眼鏡を使用してもほとんど見えない状態になりました。ただ、写真では撮影することができました。

2008年2月1日 | |
135mm F4レンズ | |
4枚合成 | |
撮影地 富山市天文台 |