富山市科学博物館 > ジュニア科学賞・とやま > 第22回[令和6年度]
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第22回「ジュニア科学賞・とやま」授賞式
(2025年2月14日 富山市科学博物館にて)
大好きなトマトの栽培と観察を始めた小学2年生以来、甘いトマトができる要因を突き止めるため、毎年、糖度計を片手に計測を続けた。甘くてみずみずしいトマトができる喜びが、研究の原動力になっている。これまでに計測したミニトマトは2千粒に及ぶ。積み上げたデータを冷静に分析する努力家である。
日照時間を調べることからはじめ、肥料や水の量等の条件を変えて、毎年研究をステップアップさせている。前年の研究成果を基にして、より甘いトマトを追究する姿勢に、強い探究心と粘り強さが感じられる。また5年にわたり、実ができる位置や糖度、直径などのデータを一つ一つ蓄積し、論理的に考察した努力は高く評価できる。これからも科学的に解析する力を伸ばしてほしい。
ワラジムシとの出会いは小学1年生の時。ダンゴムシだと思っていたが、丸まらない。それが「ワラジムシ」だと知ったことをきっかけに、以後8年間、ダンゴムシとワラジムシの違いを探り続けている。今日も小さなムシたちの一挙一動を誰よりも注目している、鋭い観察眼の持ち主。
年間を通しての飼育、丁寧な観察、多くの実験に取り組む姿と小さな生き物への接し方から、研究対象への深い愛情と探究心の高さがよく分かる。今年は、交替性転向反応における生育環境の影響に着目し、飼育個体と野生個体の比較実験を行った。このユニークな実験は、両者の生態を長年にわたり粘り強く追究してきたからこそ生まれたものである。今後も自らの疑問を深く探究する生態学者を目指してほしい。
小学3年生の時、大好きなうどんを「伸びるから早く食べられ」と言われ、本当に伸びるのか確かめたくなった。様々な種類の麺をお湯につける実験を行い、実際に麺の長さが伸びることを知った。固定概念にとらわれず、伸びない麺の開発に取り組む姿は、まさにフードサイエンティスト。
小麦粉の種類、麺の水分量、塩分量、こねる時間、形状、添加物等について48通りの麺を作り、粘り強く実験を繰り返した。長さの変化量を徹底的に調べて伸びない麺の条件を解明したことに、強い好奇心と探究心が感じられる。グルテンの効果を調べるために、麺の弾力性を測定したオリジナルの実験装置もよい。今後も自分で確かめる姿勢と実行力を大切にしてほしい。