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第22回[令和6年度]

  推薦要項 受賞者紹介 賞の趣旨 受賞者の選考について 受賞者のことば  

第22回「ジュニア科学賞・とやま」受賞者のことば

授賞式において受賞者にスピーチいただいた内容を紹介します。

 

唐木 悠真

からき ゆうま
射水市立大島小学校6年

「ぼくが学んだこと」

 ぼくは小学校2年生の生活科の授業でトマトを育てました。育てたトマトを初めて食べた時の、口いっぱいに広がる甘さが忘れられず、もっと甘いトマトを食べたいという思いからトマトの研究を始めました。

 ぼくがトマトの研究を通して学んだことは二つあります。一つ目は、毎日続けることの大切さです。毎日様々な条件のプランターで実ったトマトを収穫し、一つ一つのトマトの糖度を測りました。多い日には100個を超えるトマトを収穫し、一つ一つの糖度を測りました。暑い日も雨の日も、毎日基準の色を超えたトマト一つ一つに、どの環境で取れたトマトか分かるようにマスキングテープを貼り付け、糖度を測っていきました。

 二つ目は、「はてな」を見付ける楽しさです。小学校で理科を教えてくれる先生が、いつも「理科の目をもち、新しい?を見付けること」という話をしてくれます。始めは何のことか分からなかったけれど、研究を続けるうちに一つの結果が出ると、新しい疑問・「はてな」が見つかりました。その「はてな」を解決したいという思いがあったから、何年にもわたる研究を続けることができたのだと思います。

 研究をやめたいと思って泣いたこともあったけれど、いつも家族が協力してくれたり、ぼくの研究を楽しみにしてくれたりする人たちのおかげで続けることができました。

 研究を続けて学んだことをこれからも生かしていきたいです。

 

佐伯 東和子

さえき とわこ
立山町立雄山中学校2年

 私の自由研究は、いつもこの言葉から始まります。

「私はダンゴムシとワラジムシが大大大大大大大大好きです。」

毎年大好きの「大」が増えていき、中2の自由研究では8個も付きました。8年分です。

 きっかけは、小学1年生の時にダンゴムシと間違えて、ワラジムシを捕まえてきたことです。その頃はワラジムシを知らなかったので、ダンゴムシなのにどうして丸くならないのか知りたいと思いました。富山市科学博物館の先生に聞いてみると、それはワラジムシだと分かりました。「だまされた!」と思いました。「違いを調べると面白いよ」と言われたので、飼って様々なことを調べることにしました。

 おもしろかったのは、どちらも雑食性であること、さらに食性に違いがあることを発見したことです。多くの本にはダンゴムシもワラジムシも枯葉を食べると書いてあるけれど、アブやオロロなどの虫も食べることが分かりました。実験ではワラジムシの方がそうしたエサを好み、ダンゴムシよりも肉食性が高いことを発見しました。ワラジムシは激しく奪い合っていました。

 しかも、どちらも共喰いをします。このことには驚きました。かわいい見た目だけど、恐ろしい一面もあります。

 右左右左と、前に曲がった方向と逆の方向に曲がる動きを繰り返す交替性転向反応の実験では、多くのデータをとり、その違いを数値で示しました。ダンゴムシの方がワラジムシよりも高い確率で交替性転向反応がみられることが分かりました。明確な差が出てうれしかったです。

 これまでの研究を通して、私が思う三大違いは、「ダンゴムシは丸くなるけどワラジムシは丸くならない」「ワラジムシはダンゴムシより足が速い」「ダンゴムシの方が草食性が強く、ワラジムシの方が肉食性が強い」です。身の守り方の違いと食性の違いが特にみられます。それは生きるすべの違いです。「だまされた!」から始まり、8年間、多くの謎を私に与えてくれた、ダンゴムシとワラジムシには感謝しています。

 

吉田 百花

よしだ ももか
富山市立岩瀬中学校2年

 この度は、このような素敵な賞をいただきありがとうございます。私は、小学生のときから麺類を食べる時はいつも時間と闘っていました。いつも食べるのが遅いため、食べ終わる頃には麵が伸びてしまっているのです。麺が伸びさえしなければ、もっと時間をかけて大好きなうどんを味わえるのに。この研究を始めたきっかけは、そんな思いからでした。

 まず、実験用のサンプルとして、全国各地からご当地うどんを取り寄せたり、ヌードルメーカーを使って様々な形状のうどんを作ったりしました。それらをもとに、伸びないうどんのベスト条件を見つけ出していきました。実際に研究を始めてみると、様々な困難とたくさんぶつかりました。お湯につけて麵を伸ばす工程は特に大変でした。麺が伸びる分、ふやけてしまって自然とちぎれてしまいます。そのため、お湯の中に何本も麺を入れて実験を繰り返しました。それでも、ゆでている間にすべての麵がちぎれてしまい、実験を最初からやり直しになることもありました。

 困難に何度もぶつかりながらも実験を重ねていくと、不思議に思っていたことが少しずつ分かるようになります。すると、これまで見えていなかった景色が見えるようになり、新しい世界が一つずつ開けていくようでした。この体験はとても楽しく、これこそが実験の醍醐味だと思いました。

 最後に、この研究で実験の道具を揃え、毎日実験用のそれほどおいしくないうどんを食べてくれた家族と、この研究を支えてくださった先生方に感謝の言葉を送ります。ありがとうございました。

 これからも、この研究で培った探究心をもとに、未知の世界に挑戦し続けていきたいです!


富山市科学博物館
作成  2025-02-14
最終更新  2025-03-14
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