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クロカワゴケの富山県内の生育状況

■どんなコケ?
 深緑色をした水生のコケ植物で、30cm以上の長さになります。全国的に減っており、絶滅危惧種に指定されています。
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■どこに生えている?
 富山県内では、主に黒部川扇状地の扇端部、わき水の多い流れに生育し、石積みや川床にくっつき、長い植物体をたなびかせていました。
 1996年頃は、少なくとも4カ所の川や側溝で生育していましたが、土手や石積みの水路が全面コンクリート製へと改修されたり、水質の悪化等があったりし、2022年にはどの場所でも見つけられなくなりました。クロカワゴケは、富山県内から姿を消したのかもしれません。
 湧き水があっても、生育できる環境がなくなっていること、複雑な思いです。
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 河川改修後、生育量は少なくなったがクロカワゴケが生えていた川。しかし、改修時に新たに別ルートで水を引き込んだようで、クロカワゴケに泥が多く付着するようになったり、外来種が繁茂したりで、本種は減りつづけ、見つけることができなくなりました。



富山県内のクロカワゴケについての報告文

  富山県内におけるクロカワゴケの分布の現状(2010年の報告)





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