![]() | しんきろうの仲間 (第22回) |
珍しい現象で科学的に意味のある資料を収集するのも博物館の仕事だという使命に燃えてか、ただ好きでたまらないからかはさておき、もう数十回も撮影に出かけている。遠く小笠原に出かけたこともある。 グリーンフラッシュを観測するには、日の入りの時、西の空に雲がないことが必要だ。 計算では高さ数千bの中層雲で約二百五十`の先まで雲のないことが必要になる。空に雲がなく天気予報でも晴れが続くという日に出かけたが、雲だらけだったということもよくあった。今は気象衛星の画像なども考慮に入れて行くようにしているが、それでも雲に悩まされることが多い。 グリーンフラッシュの撮影には超望遠レンズが必要だ。私は撮影には合成1600_レンズを使っている。 日の入り直前は太陽の光度も弱くなっているので肉眼で見ても、ほんのしばらくなら違和感はない。 しかし超望遠レンズを通すと太陽が完全に沈む直前まではまぶしくて、太陽が完全に沈む直前まではまぶしくて、カメラのファインダー越しにまともにのぞけない世界だ。 そこで減光フイルターを手に持ち、それ越しにのぞくことになる。しかし、それではグリーンフラッシュ見えにくくなるのでついつい熱中してしまう。観測が終わった後、目のあたりがジーンと痛むことがある。どう考えても目にいいわけがない。 「なんでこんなことをするのだろう?」そう思っても、よく晴れて雲のない日には気象衛星の画像が気になってしょうがない。(吉村博儀 2000年5月10日掲載) |
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