太陽系内で見る星再現
2台目の装置 (第61回)



  
   
   太陽系内で見る星を再現できるプラネタリウム
   
 科学文化センターのプラネタリウムができてから十数年たち、かなり老朽化が進んだため、新しい機種の導入を検討することになった。このころになるとコンピュータ技術も進み、プログラムはパソコンを使って編集ソフトで作れるようになっていた。

 科学文化センターのプラネタリウムの欠点は、地球から見た星の動きしか再現できないことであった。せっかく新しいものを入れるのなら、太陽系の惑星から見た星、地球の動き、さらに宇宙の任意の場所から見た星の動きを再現できるものがいいと思っていた。

 そういう装置があった。どの場所でも(といっても太陽から900光年以内)、そこでの星の動きを再現でき、さらによくテレビのアニメに出てくるような星が視界から飛び去ったり迫ってくる効果も演出できるのである。しかし、残念ながらその装置は星が暗くしか映らなかったため、導入を断念した。

 そこで太陽系内の任意の場所での星空や星の動きを再現できる装置を選ぶことにした。これは恒星と惑星を投影する装置が分かれていた。それまでのものは星を映す装置が中央にあり惑星を映す装置がそこから飛び出した形になっていたため、それが邪魔になって映像が十分に見えない座席が多かった。今回の装置はすっきりした形になり、映像の見えにくい席を減らすことができた。

!-- 本文の段落。最初に1文字空白をいれる。改行はなし。いくつおいてもOK -->  ドーム内全体に映像を映す装置、大型ビデオプロジェクターなども新たに導入した。また星の紹介だけでなく、富山の自然も含めた幅広いテーマに関する番組をつくるため、雪や雨の降る様子を天井に映す雪投影機・雨投影機も入った。一九九四年春に、二代目プラネタリウムが完成したのである。

 そして次の新しいプラネタリウムが導入される時、どんな姿を、どんな番組をみなさんにお見せできるかのか楽しみにしている。 (吉村博儀 2000年6月30日掲載)




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