増える学芸員希望者
実習受け入れ (第89回)



  
   
   科学文化センターの活動について学ぶ学生たち
   
 科学文化センターでは年に何度か富山大学の学生、特に教職の取得を目ざす学生に科学文化センターの活動を紹介している。通常のお客さんに公開している場所のほか、裏方の様子も見てもらっている。

 多くの児童・生徒に科学文化センターを十分に利用してほしいし、科学文化センターだけでなく、すべての博物館や科学館を上手に利用できるようになってほしい。そのためにはまず、教員になる大学生に科学文化センターをよく理解してもらうことが大切であろうと考えた。児童・生徒を連れて来た時、上っ面の面だけでなく、展示の裏にある諸活動を理解したうえで子供たちを指導してほしいからである。

 児童・生徒の様子、ニーズ、問題意識、教科の進行状況など学年によって、クラスによってまちまちであり、子供たちに必要なものは担任が一番よく知っている。来館するとき、教育関係者はできれば事前調査し、不明な点は学芸員らにどんどん質問してほしい。見学のマナーの指導も、引率の教員が児童・生徒の状況に合わせて事前に適切な指導をするのが好ましい。

 ほかに大学生を相手にしている事業として「博物館学実習」がある。博物館で専門的なことを行う職員を学芸員と言うが、その資格を取得するのに、大学在学中に必要な単位を取るための実習である。

 近年では学芸員希望が多くなり、理科系にも急速に希望者が増えてきている。そこで科学文化センターでは理学部や農学部など理科系学部の学生に限り、実習生を受け入れている。

 実際に博物館に勤めることのできる学生はごくわずかであるが、学芸員になるには資格もさることながら、専門の知識・技能を深め広げること、そして絶えず向学心に燃え、人々に親切に対応できることが重要である。(布村昇 2000年8月19日掲載)




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