資料収集、調査研究に力
バランスとれた活動 (第98回)



  
   
   普及教育活動の一つ「科学の広場」に参加した市民
   
 これまで科学文化センターのさまざま活動が、学芸員によって紹介されてきた。全体を通読された方は博物館の活動の全体像がつかめたものと思うが、博物館の活動を大きく分けると、資料収集活動、調査研究活動、展示活動、普及教育活動ということになる。これは博物館法によっても規定されているものであり、これらの活動がバランスよく行われることが望ましいことはいうまでもない。

 しかし全国的「博物館」と名のつく施設も見てみると、実態はこれとほど遠い施設が少なくない。ほとんど全ての博物館で展示室は持っているであろうし、多くの博物館で年間を通せば何回かの普及行事は行っているものと思われる。

 しかし、国立の博物館や県立規模で力を入れている博物館を除いて、きちんとした方針を持って資料収集活動を行っている博物館は多くないし、まして調査研究活動を積極的に館の方針として位置づけしている博物館はさらに少ないように思う

 そんな中で、富山市科学文化センターは市立でありながらも、多くの県立規模の博物館に劣らない活動をしていると自負している。建設準備事務局の段階からほぼフルメンバーの専門職員を採用し、さまざまな方針や活動計画について討論を重ねてきた。

 私たちの資料収集活動や調査研究活動を重視な柱とする姿勢は内外から認められ、この二十年間実績もあげてきた。科学文化センターは学芸員が積極的に活動する上でも恵まれた博物館ということができるのである。

 調査研究、資料収集、展示、普及教育とどの活動をとっても科学文化センターを特徴づけるものに。なっている

 今後も四つの活動をバランスよく行い、地元に根ざした、市民から支持され、愛される博物館であり続けたいと願っている。(赤羽久忠 2000年8月31日掲載)




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