高山の自然


立山主峰(3015m)
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高山 ―立山室堂平―

富山県の東部には立山連峰がそびえ、氷河地形の痕跡や高山植物のお花畑がみられます。山崎カール、立山カルデラや地獄谷の噴煙は、立山の生いたちを教えてくれます。 長い冬の後にやってくる短い夏は、高山植物が咲く美しい季節です。雪解けから初雪までのわずか約4ヶ月間に、高山植物は葉を伸ばし花をつけ実を結びます。高山という特殊な環境だからこそみられる自然は、中部山岳国立公園として広域的に保護されています。

室堂平・玉殿の湧水
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氷河時代の生き残り・
ライチョウの分布
  ライチョウは、日本列島の中では中部地方の高山帯にだけ生息します。しかし、世界では、北極をの周辺に分布し、日本の中部山岳地帯が分布の南の端にあたります。日本では、氷期が終わり暖かくなるにつれ、分布域を狭められ、その一部が気温の低い高山に取り残されたと考えられています。

 

ライチョウの体
 ライチョウの体には、足に羽毛がはえていることや冬に白くなることなど、雪や氷の生活に適した特徴が備わっています。

夏のライチョウの親子
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オコジョの分布
  オコジョは中部地方の高山帯から東北地方、北海道、大陸と分布します。氷期には、西日本にもすんでいたことが化石の記録からわかっています。オコジョもライチョウと同じように、氷河時代が終わり暖かくなったため、日本列島の北の地域や高山に分布が移動したのでしょう。

 

 

 

亜高山―立山弥陀ヶ原―

 平坦な台地が続く天狗平から弥陀ヶ原、称名川をはさんだ大日平には、池塘と呼ばれる水たまりが多い湿原が広がっています。梅雨が明けるとニッコウキスゲやワタスゲ、キンコウカなど色とりどりの花々が咲き、カオジロトンボや、ミヤマモンキチョウなどの昆虫も多く訪れます。  山の斜面には、高木のオオシラビソやダケカンバ、ウラジロナナカマドなどが生え、秋の紅葉は見事です。


初夏の弥陀ヶ原
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山地―立山美女平―
 

 標高1000メートル付近の斜面にはタテヤマスギとブナが混交した自然林が広がっています。タテヤマスギには樹齢が千年をこえる巨樹もあります。林の土壌層は厚く、雨水や雪解け水を多く保水することができ、天然のダムにもなっています。  冬は5メートルをこえる積雪に埋もれていた林も5月末には雪が解け、林内では夏鳥のさえずりやキツツキの木をたたく音が響きます。9月にはブナやミズナラにドングリが実り、ネズミやツキノワグマ、ホンドリス、カケスなどがやってきます。10月の紅葉の季節にはいつのまにか夏鳥がいなくなり、やがて冬の足音が聞こえてきます。


美女平のブナ林
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