富山県に暮らすヘビ

富山に暮らすヘビ

日本国内では44種(亜種を含めると51種)のヘビが確認されています。富山県を含む本州ではナミヘビ科のアオダイショウ、シマヘビ、ジムグリ、ヒバカリ、シロマダラ、タカチホヘビ、ヤマカガシ、クサリヘビ科のニホンマムシの8種類が生息しています。

ナミヘビ科の無毒ヘビ6種

本州にいるヘビの中でナミヘビ科に属する7種のうち、ヤマカガシを除く6種は無毒のヘビです。種によって好む環境や主な獲物などが少しずつ違います。それぞれ特徴がありますので、どうぞフィールドでであったらじっくり観察してみてください。

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上段左:アオダイショウ、中:シマヘビ、右 ジムグリ
下段左:タカチホヘビ、中:シロマダラ、右:ヒバカリ
アオダイショウ

日当たりの良い岩場などで過ごし、鳥の卵などを好んで食べます。名前の由来は緑褐色の体色と最大2m近くになる大きさから。

シマヘビ

田んぼ周辺などですばやくカエルなどを捕食し、地面を蛇行ですばやく動きます。名前の由来は背面に2本ないし4本の黒い線模様があることから。

ジムグリ

ネズミやモグラを好んで襲うため、落ち葉の堆積した場所などを好みます。名前の由来は地中で見つかることが多いため。幼蛇の中には派手な赤い模様を持つ物もいます。

タカチホヘビ

ミミズ専食と考えられており、夜行性で地中に暮らします。名前の由来はこの蛇を発見した昆虫学者「高千穂宣麿」からつきました。

シロマダラ

トカゲやヤモリ、ヘビなど爬虫類を好んで食べるヘビです。名前の由来はまさに白いまだら模様の姿から。夜行性でなかなか目にする機会がありませんが意外と身近な環境にくらしています。

ヒバカリ

小魚やオタマジャクシを好むため、浅い水場で見かけます。名前の由来は「咬まれるとその日ばかりの命」ということに由来するとされています が、実際は毒を持っておらず、おとなしい性質です。

本州の有毒ヘビ2種

本州にいるヘビの中でナミヘビ科のヤマカガシとクサリヘビ科のニホンマムシが有毒のヘビです。

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左:ヤマカガシ、右:マムシ
ニホンマムシ

本州唯一のクサリヘビ科の種で、太く短い体が特徴です。大きくても全長は80cmほど。名前の由来は、その昔、蛇のことを「長虫」と呼んでおり、本州の長虫でも毒が強く危険であったことから「真の長虫」→マムシとなったと考えられています。

ヤマカガシ

ナミヘビ科に属しますが有毒です。口の奥に毒牙をもち、餌物に打ち込んで食べます。ヒキガエルが好物で、牙の毒とは別にヒキガエルの毒を首にある頸腺に貯め込み、自身が襲われて、頚部を噛まれたりしたときにはこの毒を敵に食らわせます。名前の由来は古語で蛇を「カガシ」と良い、ヒキガエルを好むため山間部などで多く見かけたことに由来します。

毒の違い

ニホンマムシは2本の大きな牙を持ち、噛みつく瞬間に牙の先端が前方へと向き刺さる可動式になっています。対してヤマカガシは口の奥にある牙に毒を持ちます。また毒の成分も全く違います。ニホンマムシの毒は神経毒や出血毒、溶血毒、壊死毒など様々な毒を含みます。対してヤマカガシの毒は強力な血液凝固作用をもつ毒です。

この記事を書いたひと
清水海渡
担当:脊椎動物
小さいころから動物が好きで小学生の頃には毎週末バードウォッチングをしていました。高校生の頃に動物の好きな先生に出会い、野山で小さな哺乳類の調査をしたのがきっかけで虜になってしまいました。特にコウモリ・ネズミ・モグラといった小さな哺乳類が好きです。LINK: 学芸員の部屋
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