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富山県のリス・ネズミの仲間

富山県にくらす囓歯類(リス・ネズミの仲間)

ネズミやリスの仲間である囓歯目(げっしもく)とよばれる動物の仲間は、現在までに世界中に2300種以上(2022年現在)が知られています。現在、学名がついている哺乳類仲間が約6500種(2022年現在)ですので、哺乳類の40%ほどを占めます。 日本では外来生物も含め、28種類がくらし、富山県では13種が確認されています。 囓歯目の動物は大きな門歯(切歯)を1対もつのが特徴で、堅い木の実などを囓って食べることから名前が付きました。

ムササビとハツカネズミ
ムササビとハツカネズミ 

リス科の動物

リスの仲間は囓歯類の中でも比較的、大型の動物たちです。富山県に暮らすリス科の動物は、ニホンリス、ニホンモモンガ、ムササビの3種で、最も大きなムササビは全長が80cm近くにもなるネコほどの大きさの動物です。

左:ニホンリス  中:ムササビ  右:ニホンモモンガ
滑空移動で大ジャンプ

リス科の中でもムササビとモモンガは少し特殊です。前脚と後脚の間に皮で出来できた膜(皮膜)をもち、そこで風を受けて木から木へ遠くまでジャンプする滑空飛行が可能です。体の大きなムササビは後脚と尾の間にも皮膜をもち、体の小さなモモンガは尾も平らな形をしています。

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左:ムササビの滑空  右:モモンガの滑空

ネズミ科の動物

ネズミの仲間は齧歯類の中でも比較的、小型の動物たちです。富山県に暮らすネズミ科の動物は現在までに9種類の記録があります。種類によって標高や好む環境が異なります。

野山にすむネズミ

森林、草地などの野山に暮らすネズミにはアカネズミ、ヒメネズミのように地上や樹上で暮らすネズミ類と半地下で暮らすスミスネズミなどがいます。富山市内でも標高1,300m以上の森林にはヤチネズミが暮らします。

上:アカネズミ  下:ヒメネズミ
上:アカネズミ  下:ヒメネズミ
左:スミスネズミ  右:ヤチネズミ
町(人の生活圏)にすむネズミ

私たちヒトが生活している市街地に好んで住むネズミがいます。ハツカネズミは稲などの穀物を好むため、周辺に田んぼの多い家屋などで頻繁に見つかります。クマネズミやドブネズミは人家の屋根裏や軒下を好み、ビル街や地下道などでも見かけることがあります。

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左:クマネズミ  右:ハツカネズミ

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この記事を書いたひと
清水海渡
担当:脊椎動物
小さいころから動物が好きで小学生の頃には毎週末バードウォッチングをしていました。高校生の頃に動物の好きな先生に出会い、野山で小さな哺乳類の調査をしたのがきっかけで虜になってしまいました。特にコウモリ・ネズミ・モグラといった小さな哺乳類が好きです。LINK: 学芸員の部屋
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