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富山県の鳥 ニホンライチョウ

富山県の鳥 ニホンライチョウ

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ニホンライチョウ

富山県のシンボルとして県に登録されている鳥は、皆さんご存じのニホンライチョウです。実は、ライチョウという種はユーラシア大陸北部、北米大陸北極海沿岸、ヨーロッパやアジアの一部高山帯などに広く分布しています。その中でも日本の本州中部山岳地域にのみ暮らしている亜種をニホンライチョウと呼びます。

ライチョウの雌雄差

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ニホンライチョウのつがい

ライチョウの雌雄差が顕著に出るのは繁殖期です。オスは繁殖期になると目の上に赤い肉冠が発達します。また羽色は白と黒のまだら模様になります。それに対しメスは肉冠がなく、羽色も抱卵中に目立たないよう茶褐色のまだら模様になっています。

最終氷期の生き残り

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北アルプスとライチョウ

今から約5万年前の最終氷期中に大陸から日本へ渡来し、その後に最終氷期の終わりと共に高山帯にだけ生き残った鳥と考えられています。そのため、現在の分布は本州中部に位置する北アルプス、南アルプス、乗鞍岳、御嶽山、火打山周辺の限られた地域となっています。また、ライチョウという種の中で最も南の地域に生息するライチョウがニホンライチョウです。

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この記事を書いたひと
清水海渡
担当:脊椎動物
小さいころから動物が好きで小学生の頃には毎週末バードウォッチングをしていました。高校生の頃に動物の好きな先生に出会い、野山で小さな哺乳類の調査をしたのがきっかけで虜になってしまいました。特にコウモリ・ネズミ・モグラといった小さな哺乳類が好きです。LINK: 学芸員の部屋
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