富山湾の深海魚
深海ってなに?
水深200m以下の海域帯を深海と定義しています。また、富山湾を含む日本海は、浅い対馬海峡から表層の水は流入しますが、大洋の水との交流が乏しいため、水深300m以下は日本海固有水という水温0℃~-1℃ほどの水塊が占めています。
富山湾の特徴
日本海に面する富山湾は、水深1,000mに達する深い海で、冷たい日本海固有水(深層水)がその大半を占めます。表層は南からの暖かい対馬海流の海水が入るため、表層では暖流域の魚が回遊し、中層以下では冷水域の魚が棲める環境となり、魚種が豊です。
深海魚
上記した水深200m以下の深海に暮らす魚を深海魚と呼びます。深海には光合成に必要な太陽光はほとんど届かず、高水圧、低水温、暗黒環境になっています。こういった環境に適応した深海魚はまだまだ未知な部分が多いため、日々情報を収集しています。
サケガシラ
アカマンボウ目フリソデウオ科の魚で、体長は最大で2m以上にもなる大型魚です。銀白色の体に朱色の背びれ、目がとても大きいのが特徴です。水深200m~500mの深海に生息すると考えられています。近年では春先に富山湾で捕獲されたり、漂着個体が見つかることがあります。
アカタチ
スズキ目アカタチ科の魚で、体長約40cm。朱色の体色と細長い体型が特徴です。水深80m~150mの大陸棚地帯などに暮らしています。
ノロゲンゲ
スズキ目ゲンゲ科の魚で、体長約30cm。全身がゼラチン質に覆われており、水深200m~1800mの深海域に暮らしています。カニ漁の副産物として捕獲されていましたが、現在は食用となって流通しています。食用になるゲンゲの中で最も好まれている種です。
関連する文献
- 富山湾の深海生物
布村 昇 1989 とやまと自然 12 (2号)