富山県の哺乳類について
哺乳類ってどんな動物?
皆さんは哺乳類というと、どんな動物を想像しますか。今、この文章を見ている方は、きっと哺乳類を現在進行形で見ています。それは画面に反射して写るご自身、私たちヒトも哺乳類です。哺乳類は脊椎動物門哺乳綱に属する動物を指します。特徴は、胎生でこどもを出産し、母乳を与えて子育てをすることです。ヒトをはじめ、現在も地球上で世界中に繁栄する動物で、世界最大ではシロナガスクジラの最大体長約30m、最大体重約200トンにもなり、世界最小ではチビトガリネズミの全長1.5cm、体重2gしかありません。
左:ザトウクジラ 右:ニホンザルの親子
哺乳類の種類数
現生の哺乳類は、世界で約6,500種が確認されています。中にはニホンオオカミなどのように近年、絶滅した種も含まれます。島国の日本では固有種が多く、また海に囲まれているためクジラなどの海棲哺乳類も多く確認されています。現在、日本産哺乳類は170種(外来種・絶滅種含む)となっています。そのうち富山県では77種の哺乳類の生息が確認されています。
富山の哺乳類の特徴
皆さんもご存じのとおり、富山県は標高約3,000mにもなる立山から深海1,000mに達する富山湾まで、変化に富んだ地形を有しておりその環境に適応した哺乳類が生息しています。
立山連峰に代表される高山には、最終氷期の生き残りと考えられている高地性の食肉類オコジョや食虫類のアズミトガリネズミ、ブナ林を主な生息地とするミズラモグラ、深く豊かな森にくらすツキノワグマなどが生息します。
山麓地域では、かつて人々が野山の自然を利用して生活した里山環境が今も残っており、社寺林を好むムササビや里山にくらすタヌキなどヒトの手が入った自然にくらす動物たちもくらしています。
水深1,000mにまで達する富山湾はカマイルカなどをはじめ、海棲哺乳類が立ち寄り今までにトドなどの鰭脚類、ツチクジラやコククジラといった鯨類合わせて約20種が確認されています。