No.536 皆既月食と天王星食

とやまサイエンストピックス No.536 (2022年11月)
発行日:2022/10/1
2022年11月8日(火)、晴れていれば日本全国で月食を見ることができます(図1)。今回は、月全体が欠ける皆既月食となります。皆既月食は、昨年5月26日にも起こりましたが、この時は富山では天気が悪く、空に昇ってきた時に少し欠けた月が見えただけでした。今回の月食では天王星食も同時に起こります。ぜひ観察してみましょう。
パルスオキシメータ
図1 11月8日の皆既月食の見え方
パルスオキシメータ
図2 月食のしくみ

月食とは?

月食は、太陽の光でできる地球の影に月が入り、暗くなったり、欠けたように見えたりする現象です(図2)。月の一部が欠けると「部分月食」、 月全体が地球の影に入ると「皆既月食」となります 。皆既月食の特徴は、月全体が欠けたとき(皆既のとき)、月が全く見えなくなるのではなく、暗く赤っぽい色で見えることです。

天王星が月にかくされる

鹿島34mパラボラアンテナ
図3 天王星食の見え方
今回の月食はちょっと特別です。この日、月のすぐそばに天王星があり、皆既中の月にかくされる「天王星食」が起こります。天王星は、明るさが5.6等と暗いため、肉眼で楽しむことは難しい星です。望遠鏡や双眼鏡などの道具が必要となりますが、皆既中の月は暗いため、比較的見つけ やすいかと思います。
なお、月食中に天王星などの惑星がかくされることはとても珍しく、次回日本でみられるのは、西暦2344年の土星食です。まさに一生に一度の天文ショーをぜひ観察してみてください。

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